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世田谷城主・吉良家の菩提寺の勝光院(14世紀に創建)とその境内の竹林は、せたがや百景のひとつ。世田谷線の宮の坂駅から歩いて5分くらい。
住宅街の中にあって、寺の右側に竹林が見える。まっすぐに伸びた青竹は緑が鮮やかで気持ちがいい。通りがかりのお年寄りの話では、勝光院は世田谷城の防御砦で、この竹林も敵が容易に攻めて来られないように作られたという。竹林を背にして山門の前に一体のお地蔵様が立っているが、竹林を守っているように見えてきて、幻想的な雰囲気が漂う。
寺の左の竹垣の中が墓地。その一角に世田谷区指定史跡の吉良家歴代の墓所があった。大きな百合の花が活けてあり品格のある空間をより高めていた。
山門をくぐると掃き清められた境内と手入れの行き届いた庭木に心が洗われる。境内の梵鐘は元禄11年(1698)に作られたもので世田谷区では二番目に古く(一番古いのは豪徳寺の梵鐘)、世田谷区指定有形文化財だ。第二次大戦に際し供出されたが、鋳潰しを逃れて葛飾区の寺院に伝えられていたものが昭和52年(1977)に勝光寺に返還された。梵鐘の形は優美で工芸品として優れており、世田谷区の近代美術工芸品の歴史を知るうえで貴重なものだ。
帰りには世田谷八幡宮に寄る。9月の15、16日が秋の例大祭で、神輿や屋台が出る。15日の午後2時から境内では奉納相撲が行われる。土俵のp周りは観覧席になっていて円形劇場のようだった。
(2012年8月掲載) 地図
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