小さな散歩道

大田区立龍子公園 (大田区中央4丁目)

 

 日本画家で文化勲章受章者・川端龍子(りゅうし 1885-1966年)の旧宅と既に公開している画室庭園を併せて、大田区が再整備した公園。大森駅からバス「臼田坂下」下車。歩いて2分のところに龍子記念館がある。公園はその記念館の北側。公園という名がついているが、塀に囲まれているので見えづらい。
  公園といっても自由に出入りすることはできない。案内時間は11時と14時の一日2回のみ。龍子記念館で申込みをして記念館の職員が案内してくれるのを待つ。時間になるまで記念館を見学しておくといいかもしれない。記念館の建物の設計も龍子自ら行なっており、上から見るとタツノオトシゴの形をしているという。
  職員の案内で公園内を見学。生前、画家にならなかったら建築家になっていたと言っていただけあって、日本風の造りの中にもモダンなセンスを感じさせる。
  昭和13年に大作を描く必要から、新たな構想のもとに建築された画室は、柱がなくその空間の大きさに圧倒された。戦時中の爆撃により旧宅と古い画室は失われたが、この画室だけは助かったそうだ。
  母屋は、昭和23〜29年頃に建設されたもので、照明はすべて間接照明だ。しゃれた龍子先生だ。先生は庭を眺め、そこで展開される草木や動物など自然の息吹を画にしたためるのだろうことは想像できる。
  園内は純粋な日本庭園。公園というよりもむしろ日本画の巨匠である龍子の足跡を見に行くところだ。龍子の作品で天井画のある本門寺もここから徒歩15分と近い。
 
龍子記念館  大田区中央4-2-1  お問合せ TEL:03-3772-0680
開館/9:00〜16:30 (入館は16:00まで)
休館日/月曜日 (祝日の場合は翌日)、展示替え期間
入館料/一般200円、小・中学生100円、5歳以下と65歳以上は無料

(2012年3月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ