小さな散歩道

新田神社 (大田区矢口1丁目)

 武蔵新田駅から歩いて、武蔵新田商店街のほぼ中央にある。
 神社の由来は室町時代にさかのぼる。武将として誉れの高かった新田義貞の次男、義興(よしおき)公が、足利勢のひきょうな謀略によって矢口の渡で憤死(1358年)。その後、惨事が続いたので、村人たちが義興公の墳墓の前に神社を築き、新田大明神としてまつったのが始まり。
  江戸時代に平賀源内(蘭学者)が書いた浄瑠璃、歌舞伎「神霊矢口渡」は、この新田神社の縁起がもとになっているとか。
 鳥居をくぐると御神木のけやき(樹齢700年)があり、若いカップルが手を当てていた。江戸時代の火災、昭和の戦災の被害にあっても生きのびたということで、東京のパワースポットになっている。
 境内には矢守(破魔矢の元祖)の大きなオブジェがあった。御祭神の義興公の塚に生えている篠竹から平賀源内が「矢守」を作り広めたといういわれから、同神社では初詣「矢守」を授与している。
  社殿の右には力石(約180〜240kg)があり、昔、若者たちが力比べに用いたものとか。その横に大理石の卓球台があり、子供たちがプレーしていた。「まちづくりのためにできた多摩川アートラインプロジェクトの一環でグラフィックデザイナーの浅葉克己さんが制作してくれました。毎年秋の卓球大会は市民の人気です」(品川宗久宮司)。ラケットを神社が無料で貸し出している(9時〜17時)。

■問合せ/
新田神社
  大田区矢口1-21-23  TEL:03-3758-1397 

(2011年4月掲載)  地図


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