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世田谷区の「小京都」と呼ばれる烏山寺町を訪問。
寺町の南北を通る寺町通りの周囲には26ものお寺が集まり、風情のある一角を作っている。
京王線千歳烏山駅周辺の商店街を抜けて北に向かって歩く。甲州街道を渡ると、急に落ち着いた静かな住宅街になる。
中央高速道路の手前左に桜が美しい妙高寺が見えた。お寺の前の関東バスのバス停の名前は「寺院通1番」。
小京都のスタート地点だ。バスの路線図を見ると、この先のバス停は寺町通りに沿って南から北に寺院通2番、3番、4番と続く。
高速道路をくぐると、右に多聞院。境内にあるお釈迦様の足の相を彫り込んだ仏足石を拝見した。
石造りの涅槃図も。このお寺は戦後の新宿駅前都市計画によって昭和29年にこの地に移転してきたそうで、26の寺の中では一番新しい。
次はちょっと変わった古代インド様式の本堂がそびえる妙祐寺。
最後に行ったのが高源院。ここの弁天池はせたがや百景にも選ばれていて、寺町の寺院の中では一番の景勝地だ。
案内してくれたご近所のおばあちゃんは「初夏には睡蓮の花がきれいですよ。
秋にはシベリアからたくさんの鴨が飛んできます。今はお庭の桜かな」と。
行ってみたら池に浮かぶ赤と白の浮御堂は瓦の工事中でシートがかぶさっていて見ることができなかった。
でも池の中をゆっくり泳ぐ鯉の姿や、時々顔を見せてくれる亀を眺めていると心が休まった。
もともと、この北烏山には寺院は一軒もなかったが、関東大震災の後に都心では復興事業として大規模な区画整理が行われた。
それに引っかかった寺院が移転してきたのが寺町の始まりとか。
高速道路から高源院まではコンビニもなく、静かな環境が保たれている。
体力に余裕があれば、ちょっと足を伸ばして西沢つつじ園(北烏山6-16-10)へ。
4月末から5月にかけて100種のつつじが咲き乱れる。
※休日には法事が多く、車の出入りが激しくなるので、寺町散歩は平日がおすすめ。
(2011年5月掲載) 地図
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