小さな散歩道

世田谷区立羽根木公園 (世田谷区代田4丁目)

 小田急線梅ヶ丘駅から歩いて5分、全体として丘状の地形になっている。昔は一帯に「六郎次」という野鍛冶が住んでいたと伝えられ、丘も「六郎次山」と呼ばれていた。その後、根津財閥の所有地となった。呼び名も「根津山」と呼ばれるようになった。今でも地元のお年寄りの中には、そのように呼ぶ人がいる。 1958年に都立公園として開園、1965年に世田谷区に移管されて区立公園になった。
  同公園の南側の斜面が梅林になっていて3月初旬まで観梅客でにぎわう。紅白あわせて約650本の梅の木が植えられ、紅白あわせて60種類以上もの梅の花が鑑賞できる。「どこを見ても梅でいっぱいね」とカメラを片手に観梅客たちはうれしそう。
  「飛梅」という梅の木の近くに石碑があり、飛梅にまつわる伝説が書いてあった。平安時代、右大臣の菅原道真が九州・大宰府に左遷になった。京を発つとき、大切にしていた梅に向かって「東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花、あるじなしとて春な忘れそ」と詠むと、梅は主人を慕って太宰府まで飛び、根付いたという。同公園にある飛梅は平成7年に太宰府天満宮から寄贈されたものだと書いてあった。
  園内にはどこにどの種類が植えられているかを表した地図があるので便利だ。「せたがや梅まつり」では大勢の人出でゆっくり梅が鑑賞できなかった人、見逃した人にお薦め。
  同公園には軟式野球場などのスポーツ施設のほか 、プレーパークがある。公園の一区画を利用した冒険遊び場で、一定のルールを守り、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、体や頭を使った屋外遊びを行い、自主性・創造性を伸ばすことを目的としている。手作りの遊具があり、一味違った遊びが楽しめる。プレーパークの開園時間は10時〜18時。火曜、年末年始が閉園。

(2011年3月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ