小さな散歩道

上野毛自然公園 (世田谷区上野毛2丁目)

昨年は4月中旬が見ごろだったヤエザクラ(世田谷区提供)坂の側面はこけでいっぱい

 上野毛駅から徒歩5分という近いところに武蔵野の自然をそのまま残した公園がある。
  環八を渡り多摩川方向に下り坂を降りる。側面のブロックは全面こけで覆われ緑のビロードに輝いていた。稲荷神社を過ぎて丸子川にぶつかる手前の左、約9240平方メートルが公園だ。生い茂るクヌギ、ナラ、シイの高木の間を縫うように階段が上に伸びている。崖を登りきると視界が開け、平地(高台公園とも呼ぶ)にでた。ヤエザクラが100本ほど碁盤の目のように植えられていた。「ここは八重ですから開花時期は遅いですよ。満開になると散った花びらで地面はピンクのじゅうたんになるんです。ちょっとしたサクラスポットですね」と近所の方のお話。崖下には湧水(ゆうすい)を使った湿生植物が生えていた。6月にはアヤメ、7月にはハナショウブの花が楽しめる。夏でも日差しは木漏れ日程度で地元の人には避暑スポットでもあるそうだ。
  帰りは同公園から歩いて10分弱のところにある五島美術館で絵画の美―絵巻・水墨・琳派(5月9日まで)を鑑賞。お庭で一休みした。
  急な鉄階段の上り下りがあるので、ウォーキングシューズをおすすめ。サクラだけ楽しみたい人は坂を降りずに高台公園へ。

■問い合わせ/玉川公園管理事務所 TEL:03-3704-4972

(2010年4月掲載)  地図


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