小さな散歩道

大田区立池上梅園 (大田区池上)

 花の見ごろの休日には1日1万人の人出でにぎわう池上梅園を1月中旬に訪問した。都営地下鉄浅草線西馬込駅から徒歩10分。すぐ脇を第二京浜国道が走っているのに、梅園の中は静寂に包まれていた。梅園は斜面と庭園から成り立つ。広さ約1ヘクタール弱。入口からまっすぐに道が延び、西側の斜面いっぱいに梅の木が植えられ、もうすでに白梅と紅梅が数本花をつけていた。「2月から3月にかけて、斜面全体が紅白の梅で覆い尽くされますからその光景は圧巻ですよ」と梅園の方の話だった。道の東側も梅林で、その中を木道の散策路が巡る。満開時の梅の甘い香りを想像しながら歩いた。道にはベンチが置かれ、ゆっくりと両側の梅が鑑賞できるようにになっている。
  斜面へ登ると「見晴台」があり、あづま屋では一休みして、眼下に広がる梅園、その先にひろがる街並みを眺望できる。梅園の南側は整備された日本庭園で、2棟の由緒ある茶室、聴雨庵と清月庵と和室棟もあり区民には人気の高い施設だ。
  同梅園は戦前まで北半分は日本画家伊東深水氏の自宅兼アトリエだったが戦災で焼失。戦後、築地の料亭経営者が南半分を広げ別邸とした。同経営者が没後、遺族から都に譲渡され、昭和53(1978)年に大田区に移管された。白梅、紅梅あわせて30種370本。梅のほかにもボタン(50株)、ツツジ(800株)など50種500本の樹木が四季を通じて楽しめる。
  東急池上線の池上駅まで梅園から徒歩20分。隣接する池上本門寺、本門寺公園を散策しながら池上駅から帰ることもできる。
※ 園内には飲食店や売店などはない。梅の見ごろについては同梅園に問い合わせを。
■大田区立池上梅園 (大田区池上2-2-13)
問合せ/TEL 03-3753-1658
開園/9:00〜16:30(入園は16:00まで)
休園日/2月・3月は無休
2、3月以外は月曜日(月曜祝日の場合は次の平日)、年末年始
入園料/大人(16歳以上65歳未満)100円、6歳以上16歳未満20円

(2010年2月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ