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池上線石川台駅から線路沿いに歩き、呑川にぶつかったら上流に向かうと中原街道に出る。街道を渡ると、歩道に囲まれてツツジなどが植え込まれ、青々と茂る柳の木が立つ一角があった。公園と言えるほど広くはないが、中を通る遊歩道はちょうどこの日、真新しい敷石を敷き詰める整備の真っ最中だった。
遊歩道の入り口に、高さ1・5メートル余りの石碑が立っている。表面には「南無妙法蓮華経」と彫り込まれ、その下に「石橋供養塔」と刻まれている。碑の横面には「荏原郡雪ケ谷村」の字も見える。隣の説明板に「大田区文化財 石橋供養塔」と書かれていた。
それによると、安永3年(1774年)、雪ケ谷村の6人の人たちが石橋の安泰を願って建てた供養塔であるという。石橋そのものは現存しないそうだが、中原街道で呑川を渡るために掛けられていたのだろうか。今はすぐそばに「石川橋」という橋が掛けられ、ひっきりなしに車が行き交っている。さらに石橋供養塔は、(一般的には)他の民間信仰の供養塔を兼ねたものが多いが、この供養塔は石橋の無事と通行人の交通安全だけを目的に建てられたのであり、貴重なものなのだそうだ。
植え込みの一角に、机を二つ並べたほどの石があって、表面に「呑川 清流の復活」と彫られた青い石板が埋め込んである。その隣に立つ木製の看板に「東京都では、都民が水辺に親しむことができるような……水辺環境をめざしていきます」と書かれていた。
(08年12月掲載) 地図
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