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東急池上線池上駅から本門寺通りを歩いて10分ほど、両側にお寺がいっぱい建つ通りに出た。 正面の山門をくぐると高くて急な石段がそそり立っている。脇の説明板によると、 加藤清正の寄進によって造営されたと伝えられ、別称「此経難持坂」で、94段あるという。 途中足がガクガクになったが、何と駆け足で何回も上り下りしている人たちにびっくり。
上りきると壮大な山門がそびえている。両側には仁王像。二層の巨大な屋根は、ビルの5〜6階はありそうな高さだ。
山門を過ぎ、これまた荘厳で豪華な構えの本堂の手前を右に曲がると、五重塔に突き当たった。 左手に立つ「力道山の墓所」の看板に従って進むと、一角に銅像の立つ墓所があった。 像の左手には「力道山之碑」と彫られた大きな石碑。そして銅像は堂々と腕組みをして、前方をスックとにらみつけた力道山だ。
団塊の世代以前の年代には、懐かしいプロレスラー。悪役の外国人レスラーが、反則で力道山を窮地に追い詰めると、 もうダメかと思われるような、苦しい体勢から繰り出す必殺の空手チョップで奇跡の逆転勝ちを成し遂げてしまうヒーローだ。
チャンピオンベルトを締めた銅像の力道山は、白黒のテレビで見ていた頃の面影をとどめるように胸板厚く、 いかにも強そう。39歳で不慮の死を遂げたのが不思議なくらいだ。
墓所は奥まった場所にあるにもかかわらず、お参りに訪れる人が絶えない。 5、6人の年配の男性グループが銅像を見上げながら、かつての活躍の思い出を語り合っていた。
(08年3月掲載) 地図
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