続・しごと日記
集金始め (2008年12月号掲載)
いろいろなお客様と初めて会うことになった新人君の日記を今月ものぞいて見ましょう。
○月△日
今日から集金だ。
毎月25日頃から集金が始まる(12月は年末なので少し早めに始めます)。僕が配達している約450軒のうち、6割は口座振替やクレジット決済のお客様なので、残りの4割、18軒位のお宅に集金に伺う。当然、口座振替やクレジット決済のお宅には訪問しないんだけど、いつもの配達の癖で、ついつい呼び鈴を押しそうになる。あわてて通り過ぎるけど、後からついてきている先輩は心配顔だ。
「集金はいろんなお客様と顔をあわせる初めての機会だ。『いつもご苦労様』と言ってくれるお客様もいれば、怒られる場合もある。心してやるように!!」と先輩は言う。
ピンポーン。「朝日新聞です」 ……緊張して声が上ずってしまう。
「あら、やっぱり担当のお兄さん代わったのね」
「はいっ。新しく担当になりました。よろしくお願いします!」
でも、「やっぱり」ってどういう意味だろう?
「新聞の配り方が前より丁寧になったから、配達の人が代わったのかなって思っていたのよ」
配達をしていてこれ以上ないうれしい言葉だ。
「ありがとうございます。朝日新聞で3,925円になります」
5,000円を手渡された。5,000円出されたらお釣りが1,075円。5,025円だと1,100円。1万円だと6,075円……。手の平に小さく書いた何種類かのパターンをチラッと見ながらお釣りを数えるが、手が冷えていて1円玉がうまくつかめない。奥で子供の鳴く声が聞こえてきたり、お湯が沸く音が聞こえたりすると、よけいあせる。袋にピッタリの金額を用意しておいてくれる人もいたけど、かえって焦ってしまい、領収証を半分に切るとき破けてしまったりした。
また、朝日新聞と朝日小学生新聞(1,720円)を一緒に購読していると合計で5,645円になり、1万円出されてお釣りがわからなくなってしまったりした。
まだまだ自分の未熟さを痛感しながらも集金業務を経験した新人君、来月はどんな活躍をするのでしょうか?
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