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国立駅北口から「戸倉循環」などのバスに乗り、「都営富士本住宅」で下車。バス停の少し手前から右手に伸びる道を直進し、突き当たりを右折。T字路を左折し、その先の四差路を左に曲がると、住宅街の中にある小公園、富士本90度公園に着く。
「90度公園」の由来は、公園が道の角にあるので「90度公園」と名づけられたようだ。確かにこの公園はL字型になっているが、なんとも変わった名前をつけるものだ。
この辺りは東京都の中心にあたるようで、公園の入口近くには「東京都の中心(重心)」と書かれた看板があった。これは、2005年に財団法人・日本数学検定協会が東京都(島しょ部を除く)の重心を求めた結果、ここ富士本3丁目が東京都の重心の位置になったという。重心とは「重さの中心」のことで、東京都を厚さが一様な1枚の板とした場合、その重さのバランスが取れる一点のことをいう。実際の重心の位置は公園から少し北に行ったところになるようだが、過去にはテレビ番組「ブラタモリ」で紹介されたこともあり、この地は知る人ぞ知るスポットとなっている。
園内にはロッキング遊具や砂場があり、背伸ばしチェアや、ひざの曲げ伸ばしなどの健康遊具も複数設置されている。この日は近所の小さな幼稚園児くらいの子どもが果敢に健康遊具に挑戦して遊んでいた。
災害用井戸
その先にはあづまやがあり、その中には井戸があった。園内の案内板によると、この井戸は災害時には地域の重要な給水拠点となり、約17メートルの地下から水をくみあげている。井戸はいつでも利用できるようになっていて、ポンプのハンドルを押し下げると、冷たい水がジャバジャバと流れてきた。公園内に井戸があるというのは少々珍しく思えるが、国分寺市内には公園などに設置された井戸が20ヵ所以上もあり、市と住民によって大切に管理されているそうだ。
富士本90度公園の少し東には、富士本動物公園がある。こちらは90度公園よりも広い公園で、その名の通り、ゴリラやウマなどの遊具が置かれていた。園内中央に進むと、立ち並ぶ木々の下にほぼ実物大のトラの遊具もあった。はじめて見る子どもたちは驚いてしまいそうだが、近くで見ると、なかなか愛嬌のある表情で来園者を迎えていた。
(2025年3月掲載) 地図
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