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立川駅北口から「拝島駅」、「拝島駅操車場」、「福生営業所」行きなどの奥多摩街道を進むバスに乗って、「大神」で下車。バス停先の信号を右に曲がり新奥多摩街道を渡ると、右手には2本の木に隠れるようにお堂が建っていた。こちらが「おこり地蔵」のようだ。
案内板によると「おこり」とは、「オコリ病」のことで、腹痛や高熱を伴う病気のことだという。古来からこの病気に霊験があるとされ、信仰を集めてきたためにこの名があるとのこと。このお地蔵様は、元禄年間(1688−1704年)の造立と伝えられている。
(左)
おこり地蔵の祠 (右) 顔が崩れているおこり地蔵
「おこり地蔵」のすぐ左手には、慶長年間(1596〜1615年)に建立された地蔵堂、東勝庵が建っている。この辺りは、かつて存在した東勝寺(奥多摩街道沿いにある観音寺の前身)の跡地であるそうだ。墓地前の一画にポツンと建つお堂はかなり古びており、この地の歴史を感じさせる佇まいとなっている。東勝庵の手前には無数のお地蔵様や石塔が並ぶ一画があり、正面のお地蔵様は安全を祈願するように街道を見守っていた。
「おこり地蔵」と東勝庵の間の道を進むと、五日市鉄道(通称・五鉄)の大神駅跡がある。五日市鉄道は昭和5(1930)年から昭和19(1944)年までの間、立川駅と拝島駅を結んでいた鉄道だ。大神駅跡には駅のホームが復元されており、一帯はレールや車輪、信号機や踏み切りなども設置されたポケットパークになっている。駅跡目の前の五鉄通りを走っていたという五鉄は、傍らを走る八高線の線路をくぐっていたようだ。現在では、歩行者用の地下道が五鉄同様に八高線をくぐっているのも面白い。
(2024年1月掲載) 地図
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