小さな散歩道

青柳稲荷神社(国立市青柳2-8-32)


青柳福祉センター前の信号のところにある
青柳稲荷神社の石の鳥居

常夜燈(左)と馬頭観音塔(右)

太いしっぽを持った狛狐

拝殿に施された彫刻

 南武線矢川駅の東側を南北に通っている矢川通りを南に進み、甲州街道を西へしばらく進むと「青柳福祉センター前」の信号が見えてくる。この信号左手には鳥居があり、青柳稲荷神社への参道が伸びていた。駅から徒歩約20分の距離だ。バスで向かう場合は、矢川駅(北口ジョナサン前)から国立市コミュニティワゴン「あおやぎっこ」に乗り、「青柳福祉センター」で下車(注・日曜と年末年始は運休)。

  鳥居の手前には、常夜燈や馬頭観音塔が置かれた一画があった。傍らの案内板「元青柳村の常夜燈」によれば、この常夜燈は江戸時代に村を火から守るために建てられたもので、火伏せの神を祀る浜松の秋葉神社への信仰であったそうだ。「秋葉燈」とも呼ばれた常夜燈には、昭和初期頃まで村人が毎日夕方に灯りを灯していたという。


青柳稲荷神社

 鳥居をくぐり住宅地の中に伸びる細長い参道を進むと、広い境内に構えられた社殿が見えてきた。青柳稲荷神社の創建は宝暦5(1755)年と伝えられており、本殿は国立市の登録有形文化財になっている。青柳はかつて、多摩川南岸の青柳島(現在の関戸橋の西方)にあったそうだが、寛文11(1671)年の多摩川の大洪水によって流失。住民はこの地に移住し、新たに青柳村を開拓したという。

 拝殿は近年新築されたもので、以前のものより重厚な造りになっているようだ。まだ真新しい拝殿だが、屋根の所々に施されている金色の装飾がいいアクセントになっている。拝殿手前にある手水舎も近年に作り直されたもののようだ。また、稲荷神社ということで、拝殿前には2匹の狛狐の姿もあった。これは大正時代に造られたもののようだが、少々痛んでいるのはちょっと残念。

 この神社は多摩川沿いのサイクリングロードに隣接しており、自転車で道を行き交う人たちの姿も多い。ケヤキが色づき始めた境内では、サイクリングを楽しむ人たちが旅の安全を祈願していた。
  ここ青柳地区は、国立でも農地が多く残された地域だ。神社を出て西側にある休憩所の向かいでは、新鮮な柿が自動販売機にたくさん並んでいた。

(2023年12月掲載)  地図


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