小さな散歩道

城山(じょうやま)公園(国立市泉5-21-20)


  (上)城山公園入口 (右) 城山公園の水辺デッキ

 矢川駅から矢川通りを進み、甲州街道を東へ。「国立1小前」と書かれた歩道橋を渡り、国立第一小学校の脇を抜けると、城山公園に着く。駅から徒歩約15分。バスの場合は、矢川駅から「国立操車場」、「国立泉団地」行きに乗り、「くにたち郷土文化館」で下車。徒歩約7分。


国立1小の脇の道を南に行って
谷保城山歴史環境保全地域に入る

散策路を通る

テレビのドラマ「らんまん」でも紹介された
キツネノカミソリ

  城山公園の北側は「谷保の城山」と呼ばれており、中世の城館跡であったと伝えられている。この地は、昔から「三田城」、または「三田氏館」と呼ばれており、中世三田氏との関連が推測されてきたが、鎌倉御家人であった津戸三郎為守が城主であったとする史料も存在するという。現在でも土塁や堀の跡が残されており、三田氏館跡は都の旧跡に指定されている。

  案内板の立つ入口前から右手に進むと、道路左側の雑木林の中には、古井戸が残されていた。道路の右手はうっそうとした竹林になっていて、その中にひっそりと神明社が建っている。一見、廃屋かと思ってしまうほどの佇まいだが、参道にはしっかりと鳥居が立っていた。

  入口に戻り、雑木林の中に伸びる散策路に入っていく。この散策路は、かつての空堀の跡なのだそうだ。また、散策路の両側が高く盛り上がっているが、これも積み上げられた土塁の跡だといわれている。この一帯は都の歴史環境保全地域に指定されており、立派な竹林をはじめ、大変豊かな自然が残されている。散策路南側では、キツネノカミソリが鮮やかに花を咲かせていた。なお、三田氏館跡の中心部は個人宅の敷地であるため、立ち入りはできないので注意されたい。

  散策路を抜けると、一気に視界が開けてくる。公園南側には長い緑の広場があり、目の前には農地が広がっている。近くにはきれいなベンチやトイレも整備されているので、この辺りで休憩するのもいいだろう。

  園内には小川がサラサラと流れており、公園の西側には水辺デッキもある。水辺にせり出すように造られたデッキには、水上テラスや橋なども設けられていて、なかなか立派な造りのデッキとなっている。水辺にはザリガニなども生息しているようで、この日は虫捕り網を持った子どもたちが一帯を駆け回っていた。

(2023年9月掲載)  地図


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