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(上)ママ下湧水 (右)ママ下湧水公園
矢川駅から南北に伸びる矢川通りを南へ進み、甲州街道を西へ。「矢川三丁目」の交差点で左折し、大通りを進んでいくと、崖下にあるママ下湧水公園が見えてきた。
「ママ」とは「崖」の地方名であり、この辺りではこうした場所を「ママ」や「ハケ」と呼んでいたそうだ。この青柳段丘からの湧水は水量が豊富で、昭和初期までは一帯にわさび田が広がっていたという。現在、この一帯は地元住民の協力のもと、豊かな自然環境が保全された一画となっている。
崖下に下りていくと、サラサラと流れる小川には小さな橋が架けられていて、その先はベンチが設置された広場になっている。近くには親水テラスが設けられていて、容易に水辺に下りられるようになっている。これからの季節、子どもたちが水遊びを楽しむには最適のスポットだろう。湧き水ということもあり、水面はとても澄んでいる。そっと手を入れてみると、ヒンヤリとした感触が心地よかった。
小川の上流部に向かうと、柵で囲われた一画があった。柵の中を見てみると、崖下から地下水がコンコンと湧き出ていた。傍らにある案内プレートによると、ここは「上(かみ)のママ下」と呼ばれる場所であるようだ。また、柵の左手には緑の中に木製の階段が設けられており、一画にいい雰囲気を添えていた。
(右)おんだし。右に国立名物・朝顔を栽培している
「朝顔の里」のハウスが見える
小川の上に架かる「ママ下橋」をくぐると、一面に農地が広がっており、大変のどかな風景を見ることができる。農地北側の崖下を流れるママ下湧水からの小川はこの先で南へ向きを変え、崖上から流れてきた矢川とともに谷保分水に合流する。この合流地点が「矢川おんだし」と呼ばれるポイントだ(「おんだし」は「押し出し」の意味)。3つの流れがほぼ直角に合流するという光景はなかなか見事であり、「矢川おんだし」は国立の名所のひとつとしても知られている。
谷保分水に沿って東に進むと「どうぞのいす」と書かれたベンチが置かれているところがあり、地域の人の優しさが感じられた。
そのまま進み石田街道に。左折して矢川駅についた。
(右)谷保分水にかかる「どうぞのいす」
(2023年7月掲載) 地図
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