小さな散歩道

原市場稲荷神社 (立川市柴崎町2-16-15)


入口が分かりにくいので注意

神社の鳥居前から諏訪通りを見る


住宅に囲まれている

 立川駅南口から、駅前右手に伸びる諏訪通りを進む。カーブを曲がって立川南通りを渡り、「スワ通り商店街」のゲートをくぐると、家具店と民家の間にひっそりと小さな鳥居が建っていた。注意していないと気がつかないような場所であるが、ここが原市場稲荷神社の入口のようだ。
  原市場稲荷神社の創建年代などは不明であるが、この「原市場」という名は、かつて立川が「柴崎村」と呼ばれていた頃のこの辺りの地名であるそうだ。

 「正一位・原市場稲荷大明神」と書かれた鳥居をくぐり、細い路地を進んでいくと、左手にぽっかりと視界の開けた一角があった。小さな境内は住宅に囲まれており、よくこの場所に神社が残されていたものだと感心してしまう。正面には二基の古びた鳥居が建っているが、そのすぐ手前には住宅の高い壁が立ち、時折近隣の住民が鳥居前の路地を行き交う。少々戸惑ってしまうようなロケーションだ。

  境内に入ると、鳥居の両脇には耳をとがらせ、とても厳めしい表情をした狐の像があった。鳥居の先には小さな赤い社殿があり、中をのぞくとお神酒の両脇にも無数の狐たちが並んでいた。社殿はまだ真新しく感じられるもので、彩られた朱色が住宅地の中で鮮やかに映えている。

(右)社殿の祠はお狐様がいっぱい

  境内は大変きれいに整備されており、地面には砂利がぎっしりと敷きつめられていた。周囲から隠れたような場所に佇む小さな神社だが、近隣の人からは大切にされている一画なのだろう。

  なお、諏訪通りは古くは原市場通り、原市場道などと呼ばれていたようだ。現在の諏訪通りは線路沿いのカーブを曲がって南西へ向かうが、かつてはここに踏切があり、中央線の北側へ向かっていたようである。現在は地下道で南北を結んでいるこの場所だが、地下道の右手には線路に向かって伸びる道があり、この道は線路北側にある行き止まりの車道に通じているようであった。

(2022年12月掲載)  地図


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