小さな散歩道

日吉神社(昭島市拝島町1-10-19)

 
(左)日吉神社二の鳥居 (右)日吉神社社殿

 立川駅北口から「拝島駅」、「拝島操車場」、「福生営業所」行きのバスに乗って「拝島大師」で下車。バス通りの奥多摩街道を西に進むと、街道脇には坂下地蔵が鎮座している。お地蔵様にあいさつをして街道を少し進むと、日吉神社の鳥居が見えてきた。

 日吉神社の創建は不詳であり、天暦年間(947〜957年)に大日堂が建立された際、その守護社として創建されたという説と、天正年間(1573〜1592年)に隣接する大日堂再興の際に守護社として建立されたという説がある。現社殿は安政2(1855)年に再建されたもので、日吉神社は旧拝島村の鎮守でもあったそうだ。

 一の鳥居をくぐって長い参道を進み、都指定の天然記念物である「拝島のフジ」を過ぎると、日吉神社の二の鳥居が立っていた。鳥居の両脇には木々が高く伸びていて、その傍らには池も造られている。なかなか雰囲気のある一角だ。
  鳥居をくぐり石段を上ると、日吉神社の社殿が見えてきた。それほど大きな社殿ではないが、正面の柱や社殿の上部には細やかな彫刻が施されていて、思わず目を凝らしてしまう。また、屋根の所々に施された金色の装飾や、社殿手前から伸びる小ぶりな松もいいアクセントになっている。

(上)社殿正面の彫刻 (下)社殿上部のきらびやかな装飾

 社殿奥には本殿が構えられているが、こちらには中国の詩人・白居易による故事「香山九老」をモチーフとした彫刻が施されている。本殿の多くのスペースに色鮮やかな彫刻が施されており、落ち着いた印象の社殿正面とは対照的に大変豪華な造りとなっていた。
  この本殿彫刻は、拝殿格天井花鳥画70面、板壁絵2面、幣殿杉戸絵4面とともに市の有形文化財に指定されている。お参りの際は、本殿にも忘れずに寄っていきたい。

  日吉神社のすぐ隣には大日堂が建っている。屋根から下が赤く塗られた巨大な本堂は、下から見上げるとかなりの迫力がある。本堂の右手には趣きある薬師堂があり、その手前には立派な鐘楼があった。

(左)大日堂

  様々な経緯があるのだろうが、この石段上のスペースは大日堂が多くを占めていて、日吉神社の敷地はちょっと手狭なようにも感じられた。真っ赤な大日堂にもお参りして石段を下りると、子どもたちが参道脇の広場を走り回っていた。

 ※御礼所開所時間・原則9:30〜16:00

(2022年11月掲載)  地図


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