小さな散歩道

東京オリンピック自転車競技・第二関門地点碑(昭島市福島町3-13)

 立川駅南口から「新道福島」行きのバスに乗り、終点で下車。新奥多摩街道を渡り、街道を東へ進む。大きな工具店を過ぎると、歩道脇に石碑とお地蔵様が並んでいた。

  この石碑は1964年(昭和39年)の東京オリンピックで、10月14日に行われた自転車競技・団体ロードレースの第二関門(チェックポイント)がこの地点に設けられたことを記念して、翌年の10月に昭島市自転車競技協会が建てたものだ。裏面には大会に参加した競技役員の名前が記録されている。

  長方形の石碑には、東京大会のロゴマークと「自転車競技第二関門地点」という文字が刻まれている。この競技は、八王子市の八王子自転車競技場(仮設。現陵南公園)をスタートし、日野市や立川市を経て昭島市内に入った。この第二関門地点を通過した後は拝島橋を渡り、再び陵南公園に戻るというコースだった。
  ちなみに1位の金メダルはオランダで、日本は19位だった。当時の「広報あきしま」では「自転車は時速60キロぐらいのスピードで走ってきます」「絶対に路上に立ち入らないで」「犬やネコはつないで」などと呼びかけていたという。なんだか当時の住民の様子が垣間見えるような呼びかけだ。

  石碑の隣に建つお地蔵様は、1981年に建てられたもので、台座には「願・交通安全」と刻まれている。お地蔵様の隣がゴミ捨て場になっているのが残念なところだが、交通量の多い街道を見守るお地蔵様の足下には、きれいな花が供えられていた。

  街道に架かる歩道橋近くから福島通りを多摩川に向かって進んでいくと、水田が広がり、。街道沿いの喧騒とは変わってのどかな雰囲気だ。田んぼの中をよく見てみると、つがいのカモが水辺を散策しながらエサをついばんでいた。
  多摩川に着くと、土手の上には福島第五児童遊園があった。ここには木製の展望台と滑り台を組み合わせた複合遊具やブランコなどの遊具があり、トイレやベンチも設置されている。傍らには小舟をかたどった「築地の渡し跡」があり、上流の多摩大橋もきれいに見える。こちらで休憩するのもいいだろう。

(2021年8月掲載)  地図


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