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「平の渡し」の道標
大神公園入口の階段
近くの多摩川にかかる日野用水堰
グラウンド奥に八高線が走っている
水辺の散歩道のはじまり点
用水の脇を通る水辺の散歩道
立川駅北口から「拝島駅」、「拝島操車場」、「牛浜駅入口」行きのバスに乗り、「成隣小学校前」で下車。目の前に建つ成隣小学校の校門前に向かってみると、校門右手の石垣上に小さな御影石製の石塔が建っていた。
これはかつて大神村と多摩川対岸の平村(現八王子市平町)を結んでいた「平の渡し」の道標(道しるべ)で、1918年に建てられたものだとか。刻まれている文字は判読しづらいが、道標の右面には「右 南 渡船場 北平 八王子方面」と刻まれているそうだ。
「平の渡し跡」の案内板
成隣小学校脇の坂道を下ると、多摩川の河川敷に広がる大神公園の入口が見えてきた。そこから堤防を下ると、階段脇に「平の渡し跡」と書かれた説明板が立っていた。この「平の渡し」は市域最古の渡し場であり、現在の日野用水堰の辺りにあったそうだ。
また、天正18(1590)年、八王子城を視察した徳川家康がここを渡って川越方面に向かったという伝承があるという。なお、対岸の八王子市平地区は成隣小学校の学区域だった時期があり、当時の子ども達は渡しを使って通学していたそうだ。そうした経緯があるため、成隣小学校に道標が建てられているのだろう。特に記念碑などもなく、河川敷に小さな説明板があるだけだが、結構な歴史のある渡しということを知った。
平の渡し跡の案内板(手前中央)の 先にグラウンドが見える
大神公園の右手奥に伸びる小道を進むと、日野用水堰が見える川岸に出られた。対岸の平町とは結構な距離があり、毎日ここを渡しで通学していたのだと思うと、当時の子どもたちの苦労が偲ばれる。
そんなことを思いながら川面を眺めていると、犬の散歩に訪れた人がやってきた。リードに繋がれた大型のワンちゃんは、川面でしっかりと水分補給をすると、満足そうな表情で帰っていった。
大神公園は野球場4面、サッカー場1面がある広々とした公園で、この日は運動や散歩に訪れる人も多く見かけられた。芝生の感触も足に心地よく、大きな開放感を感じられる公園だ。
なお、大神公園の入口手前には昭和用水沿いに整備された「水辺の散歩道」が伸びている。緑豊かな遊歩道で、初夏にはホタルを見ることもできるそうだ。こちらにも寄っていきたい。
(2021年5月掲載) 地図
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