小さな散歩道

根川緑道・霧の広場(立川市錦町)


十字架の先から井戸水が流れる

根川橋の東に霧の広場が

あずまや

若山牧水の歌碑


霧の広場

 多摩都市モノレールの柴崎体育館駅から、駅の南側に伸びている根川緑道に向かう。水上あずまやなどがある緑道を東に進み、柴崎体育館前の親水広場を抜けて、その先に架かる根川橋をくぐると、霧の広場に着いた。

  この広場には、4つの十字架型のオブジェが設置されていて、この金属製の十字架の先から井戸水が一斉に噴出する造りになっている。広場に到着した時には、水は噴き出していなかったため、「あれ?」と思っていると、突然「ジャバ、ジャバ」と音を立てて、オブジェから水が一気に噴き出してきた。これは「霧」というよりも「滝」のような水の噴き出しようだ。

  この日は湿気の多いムシムシした日だったが、流れ落ちる水を眺めていると、涼やかな気分になってきた。水の感触はヒンヤリとしていて、子どもたちの水遊びにもいいスポットだろう。この日は子どもたちの姿はなかったが、水が噴き出し終わると、2羽の鳩が水をついばみにやってきた。霧は朝9時から夕方16時まで25分噴き出して、5分休みというサイクルで、雨の日も実施とか。

  霧の広場の傍らには、新奥多摩街道に繋がる木製のデッキが設置されている。こちらは、生い茂る緑の中を歩くような造りになっていて、なかなか風情のある一角だ。

  霧の広場から東へ進むと、趣きのあるあずまやがあり、その近くには若山牧水の歌碑があった。歌碑には、「多摩川の あさき流れに石なげて あそべば濡るる わが袂かな」と刻まれていた。

  あずまやの先には、水生生物や植物を保全している「大池」がある。この池には水上デッキが備えられていて、間近で水辺を観察できるようになっている。
  デッキに下りていくと、水面はびっしりと水草に覆われていた。また、水草の向こうには高い緑が伸びていて、根川緑道の中でも自然豊かな一帯となっている。澄んだ水の中を覗いてみると、小魚が群れをなして泳いでいた。また、デッキの東側にはベンチが並んでいる。人の少ないこの辺りで、じっくりと水面を眺めるのもいいだろう。

水草の繁る大池 →

■霧の広場
夏季の運転時間/9:00〜16:00
 30分サイクルで滝が流れる。
  滝流れ25分、停止5分。
  9月30日まで。

 

(2020年8月掲載)  地図


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