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大六天社の祠
立川駅南口から「新道福島」行きのバスに乗り、「昭島団地」で下車。バス通りである新奥多摩街道を進み「郷地町二丁目」交差点を右折し、右手に伸びる細い道に入っていくと、住宅街の中にある大六天社に着いた。
境内に入ると、ブランコや滑り台が設置されているスペースがあり、境内の一角は児童遊園として整備されている。遊具の周りのイチョウの木は選定され園内は明るくなったが、にょきにょきと何本も高く伸びた様は、ちょっと異様な雰囲気がする。
境内中央には緑が茂った一角があり、その緑に隠れるように「大六天」と書かれた小さな鳥居が建っていた。鳥居をくぐると右手には「大六天供養之碑」と書かれた石碑があり、その傍らでは大きな実をつけたザクロの木が伸びていた。そして鳥居の正面には、赤い屋根をまとった小さな祠が建っていた。
祠の手前には昭島市教育委員会による案内板があり、「享保2年(1717年)の史料にも出てくる古い祠。一般には第六天と書き古代インド神話上の魔王、わが国では仏教守護神とされのちに民間信仰の対象となった。祟る神として有名で、この大六天にもいろいろな伝承がある」と書かれていた。
細長い敷地にある小さな神社であるが、なんと魔王にまつわる神社だったとは意外だった。神社の裏手には神輿庫などが建ち並んでいたが、緑が茂っているのはほぼ境内中央の鳥居周辺だけであり、、周囲に強い存在感を放っているように感じられた。
境内の北側には水路が流れており、中を覗いてみると、鴨や大きな魚たちが泳いでいた。水路からさらに北へ進んでいくと、崖下に「あおぞら公園」が広がっていた。この公園には長い芝生の広場があり、なかなか開放的で気持ちのいい公園だ。だんだん日が暮れるのが早くなってきたが、子どもたちは元気に芝生を駆け回っていた。
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(2019年11月掲載) 地図
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