小さな散歩道

多摩中央公園 (多摩市落合2-35)


パルテノン多摩

大池の周りの芝生

人をおそれないカモたち

旧富澤家住宅

きらめきの池


名前の通り「大池」

 多摩センター駅の南側に伸びるパルテノン大通りを5分ほど進んでいくと、突き当りには中央の大階段が印象的なパルテノン多摩がそびえていた。この神殿を彷彿とさせる複合文化施設・パルテノン多摩の背後には、広大な多摩中央公園の緑が広がっている。

  パルテノン多摩の右手にある階段を上って園内に入ると、目の前には「大池」が広がっていた。その名の通り大きな池であり、池の中を覗いてみると、色とりどりの大きな鯉たちが泳いでいた。また、傍らには背もたれの高いウッドチェアーがあり、腰を下ろし一息つきながら水面を眺めていると、いくぶん暑さも和らいできた。

  池の対岸には池を見下ろすような、すり鉢状になった芝生の広場がある。この視界の開けた広場は開放感にあふれており、心地のいい場所だ。この日は芝生に腰掛けてくつろぐ学生たちや、犬の散歩に訪れる愛犬家たちの姿があった。この池には多くの鴨が生息しているようで、池のほとりでは「グワグワ」と声を響かせながら羽を休めていた。

  芝生広場の裏手は雑木林になっていて、散策路の中には立派な竹林など、様々な木々が伸びている。また、「生活に役立つ植物たち」、「紙になる植物たち」などの看板もあり、テーマに沿った植栽がされている一帯もあった。

  散策路を右手に進んでいくと、18世紀中頃から後半に建てられたという「旧富澤家住宅」がある。富澤家は連光寺村(現在の多摩市連光寺)の名主であり、この建物は平成2年(1990)に富澤家から寄贈され、多摩市がこちらに移築復元したそうだ。この一帯は「くつろぎの広場」として整備されていて、住宅の前には池があり、趣きある日本庭園風の造りになっている。

  芝生広場の左手に向かうと、大階段の上にある「きらめきの池」に着いた。池を取り囲むオブジェには光沢のある金属が貼られていて、鏡のように辺りの景色を映し出している。また、ここでは大階段の上にそびえる巨大なパーゴラの姿もよく見える。近くのベンチに座っていると、池から上がってきた鴨が寄ってきた。なんだか気持ちが緩んできてしまった。

■富澤家
利用時間/9:30〜16:30 (6〜8月は18:00まで)
休館日/毎週月曜日(国民の祝日にあたる場合は、その翌日)
      施設点検日、年末年始。その他臨時休館日あり。

(2019年8月掲載)  地図


小さな散歩道 目次へ 前へ  次へ