小さな散歩道

こもれびの里 (立川市・昭和記念公園内)

 
(左) 長屋門  (右) 主屋


「里の小屋」横にある井戸

じゃかいも畑と麦畑

長屋門と左手奥に水車小屋を見る



田植え体験

うどん作り体験

来園者に麦畑の説明をするNPO法人武蔵野の
里作りクラブ事務局長の清原輝雄さん

 国営昭和記念公園の北側の奥まったエリアには、昭和30年代の武蔵野の農村風景を再現した「こもれびの里」(2.8ヘクタール)がある。ここは「昭和・武蔵野・農業」をテーマに、官民協働で農業や年中行事、田植えやうどんづくりなどの体験イベントを通じて、自然と暮らしの知恵を現代に伝えていくエリアだ。

  入口から小高い丘を登っていくと、昔の日本家屋を再現した造りの「里の小屋」がある。ここは「こもれびの里」の活動拠点となっていて、イベント参加の受付などもここで行なっている。また、傍らには実際に水の出る井戸があり、来場者が手を洗ったりしていた。「里の小屋」の北側は果樹園と竹炭を作る「炭焼き小屋」も。
  目の前には麦畑やじゃがいも畑、田んぼなど畑(1.5ヘクタール)があり、ボランティア団体「こもれびの里クラブ」(約80人)と公園事業者が共同で整備している。

  エリアの奥側へ進んでいくと、水車の傍らに大きな茅葺き屋根が印象的な長屋門が構えていた。狛江市にあった旧石井家住宅の長屋門で、立川市の指定有形文化財である。建築の形式などから19世紀初頭の建物と推定される。格式ある門をくぐると、建物左手は納戸になっており、昔使われていた木製の農具や、祭礼時に使われた大幟(12メートル)のさお挟みに施された飾り彫刻の見事なことに驚く。

  長屋門の先には18世紀後半に建築されたと推定される旧石井家住宅の広い主屋(おもや)があり、こちらも市から有形文化財に指定されている。六ッ間取りになっていて、昔懐かしいちゃぶ台の上に食器が置かれ、昭和の人々の暮らしぶりが再現されていた。また、主屋裏手には内蔵があり、こちらは明治初期の建築と推定されている。

  「こもれびの里」は2007年にオープンした新しいエリアだが、どこか懐かしく、心安らぐ一帯だ。

■体験
里の小屋で受付。 またはこもれびの里にFAX(042-569-6278)で申し込む。

★田植え
日時/6月3日 10:15〜12:00(受付10:00〜)
人数/先着20人 小学3年生以上(小学生は保護者同伴)
費用/600円
※ 雨天実施、田植え体験者は12月2日の「新米を食べる」に招待される。

★農家でうどん作り
日時/6月6日 10:20〜13:00(受付10:00〜)
人数/先着16人 小学生以上(小学生は保護者同伴で2人と数える)
費用/1000円 ※里で収穫した小麦粉を使い、体験後作った分を食べる。

★ハスの実飾り
日時/6月18日 10:30〜12:00
人数/先着20人 小学生3年以上(小学生は保護者同伴)
費用/700円 

●「こもれびの里クラブ」のボランティアを募集している。
  詳細は同公園ボランティア新規募集係(042-528-1867)へ。

●こもれびの里の入場料は無料だが、別途入園料が必要。
 砂川口から徒歩5分、西立川口から徒歩35分かかる。
  園内を巡回するパークトレインに乗車するのがおすすめだ。

■国営昭和記念公園  TEL 042-528-1751
開園/9:30〜17:00 
入園料/15歳以上410円、65歳以上210円、小・中学生80円。小学生未満は無料。

(2017年5月掲載)  地図


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