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(左)橋の上を多摩モノレールが走る。橋の両サイドにはゆったりとした歩道がある
(右)橋のたもと近くの石柱のてっぺんには4羽の鳥のオブジェが
多摩モノレールの柴崎体育館駅で降り、交通量の多い新奥多摩街道を越えると、多摩川に架かる立日橋(たっぴばし)が見えてくる。 橋上にモノレールが通るこの橋は、1989年に開通した比較的新しい橋だ。
橋のたもとに着くと、欄干の先に、4羽のカモメのような鳥のオブジェが建てられていた。 橋を渡りながら上流部を見ると、鉄橋を走る中央線や、その向こうの深紅のアーチを描く多摩大橋が目に入る。 対岸の日野側には甲州街道駅があり、駅に入るモノレールの姿がよく見える。また中洲では、羽を休める野鳥の姿もあった。
橋を折り返し、下流部に目をやると、日野側の川辺に建てられた大型マンションや、立川球場の照明灯などが目につくが、 ふと水面を見ると、そこには多くの釣り人たちの姿があった。この辺りは釣りの名所として知られているようで、この日も平日というのに、 多くの人が水辺やテトラポットの上から熱心に釣り糸を垂らしていた。立川側の土手はよく整備されていて、散策するのも気持ちがよい。 立日橋の上をゆったりと走るモノレールの姿も風情があるものだ。
立日橋の西側に行くと残堀川が流れており、こちらには残堀遊歩橋が架かっていた。 この川は箱根ヶ崎の狭山池から始まり、武蔵村山市、昭島市、立川市を流れ、この辺りで多摩川に合流する。 遊歩橋の上流にはアーチ状の橋が架かっているが、これは水管橋らしい。あまり水量の多い川ではないが、遊歩橋の両岸からは階段で川岸まで降りることができる。
橋を渡ると、小さな公園があった。残堀川と多摩川の土手に挟まれたこの場所はポケットパークとして整備されており、展望広場やベンチ、砂場や複合遊具などがある。 砂場で遊ぶ親子連れや、ベンチで一息つくご年配、土手上をジョギングする若者など、各々が思い思いに午後のひと時を楽しんでいた。 また一帯は植栽がていねいに手入れされており、きれいに丸く刈られた小さな植木などには思わず目を引かれてしまう。 今年は暖冬のためか、紅葉が遅く、12月中旬なのに赤や黄色に色づいた木々も美しく映えている。足元の芝生も心地よく、一帯の小さなオアシスといった雰囲気だ。
柴崎体育館駅近くの根川緑道でも、見事に赤く染まった紅葉の下、鴨が水面を漂っていた。こちらにも寄っていきたい。
(2016年1月掲載) 地図
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