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(左) 正楽院入口 (右) 本殿
南武線の西国立駅を降り、駅前の道を左に進むと、正楽院の入口に着く。
正楽院の創建年代は不詳だが、元々は日野の万願寺にあったそうだ。大正13年(1924)にこの地に移転し、山号を立川山としたという。本尊は大日如来像で、多摩八十八ヶ所霊場の第26番札所としても知られる。
境内に入ると、屋根が大きく広がった山門をくぐると、左手の小さな竹駒稲荷の、可愛いキツネの像が来訪者を迎えてくれる。その隣には観音堂の八角円堂が建っている。これは開創80周年にあたる平成17年(2005)に建てられたもので、堂内には移転前の本尊であった十一面観音菩薩が鎮座している。文字通り八角に伸びた屋根と、温もりある木製の扉が印象的なお堂だ。
正面に構える本堂は、開創70周年記念事業として平成7年(1995)に再建されたもの。わびさびを感じさせる造りだ。本堂脇には、よく手入れされた植栽や境内に置かれた三童子のひとつ、「筆童子」の石像や獅子おどしなどがあり、一帯は静かな雰囲気に包まれている。サクラ、ケヤキの紅葉した葉がきれいに色づいている。駅前なので、すぐそばには高層マンションが建っている。そのコントラストも面白い。
山門右手に進むと、水子地蔵や六地蔵、弘法大師像が建ち並ぶエリアがある。正面に堂々と建つ弘法大師像は、生誕1200年を記念して造られたものだ。
また、このお寺には本格的な茶室があり、茶道教室も開かれていて約200人の生徒が茶道の基本を通し、伝統文化を学んでいる。毎年5月には、永く使用した茶筅(ちゃせん)に感謝の誠を捧げるため、茶筅をお炊き上げして供養する「茶筅供養」が行われている。本堂左手には茶筅塚も建てられている。
(左) 茶筅塚 (右) 筆童子
(2015年12月掲載) 地図
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