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立川駅北口から拝島駅行きか、拝島営業所行き、あるいは昭島駅南口行きのバスに乗り、「福島」で下車。ここから福島通りを10分ほど歩くと、多摩川の堤防上にある福島第五児童遊園が見えてきた。ここには木製の階段がある滑り台やブランコがあり、子どもたちが楽しそうに遊んでいた。
遊園から堤防上を多摩大橋の方へ少し進むと、堤防の端に小舟の形をした「築地の渡し跡」のモニュメントが設置されていた。案内板によると、かつてここに「築地の渡し」と呼ばれる渡し場があり、昭島の築地村と対岸の八王子の栗ノ須村を結んでいたという。江戸時代以来、この渡しの道筋は大山街道と呼ばれており、埼玉の所沢から神奈川県の大山に至る主要道だったとか。明治時代には「福島の渡し」と呼ばれ、昭和16年頃までは存続していたそうだ。
モニュメントは長さ約1.5メートル、高さ50センチほどの小さな白い石像で、周囲には草も茂っており、知らなければ素通りしてしまいそうな場所にあるのがちょっと残念だ。
川岸に下りていくと、通称「砂岩の川床」といわれる、独特のボコボコとした白い地層が広がっていた。水面では動物の背骨のような地形が浮き出ており、この地がクジラゆかりの地であることをアピールしているようだ。また近くには小舟の形に似た何らかの建造物の跡らしきものがあり、なかなか興味をそそられる一帯だった。
堤防下には歩道があり、休日のこの日、多くの人たちがジョギングやサイクリングを楽しんでいた。川岸には釣り人たちの姿も見える。歩道脇には芝生のエリアもあり、フカフカとした感触が大変心地よい。
夕日に照らされた多摩大橋をくぐり、堤防を進んでいくと、近くの水路では多くの鴨がゆったりと羽を休めていた。そして隣のグラウンドでは、少年野球チームがボールが見えなくなるまで、声を掛けながら白球を追っていた。
(2014年11月掲載)
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