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立川駅北口から「拝島駅・拝島営業所・昭島駅南口」行きのバスに乗り「玉川小学校」で下車。ここから多摩川方面へ10分ほど歩くと、堤防上にある福島第五児童遊園の辺りに出る。ブランコや木製の階段がある滑り台などのある遊園では、子どもたちが元気に遊びまわっていた。上流に鮮やかな多摩大橋を望みながら河原に下りていくと、そこにはなんとも不思議な光景が広がっていた。
岸辺には砂と粘土を固めたような柔らかく白い地層が広がっており、ボコボコとした起伏に富んだ白い砂岩は、まるで砂漠のようにも見える。注意深く水辺に進んでいくと、水流によって削られたのか、動物の骨のような地形の間を水が流れている。この辺りは少し急な流れとなっていて、ジャバジャバという水の音と、独特の水辺の香りが相まって、あたかも無人島にでも来たかのよう。またかつてこの辺りには、築地の渡しと呼ばれる多摩川の渡し場もあったそうだ。
多摩大橋をくぐり、堤防を進んでいくと、八高線の鉄橋前に古びた車輪のモニュメントが設置されている。
終戦間もない昭和20年(1945年)8月24日、ここ小宮・拝島間の多摩川鉄橋上で列車が正面衝突し、列車は川に転落、少なくとも105名が死亡するという大惨事が起こった。犠牲者の多くは終戦とともに故郷に向かう復員兵や、疎開先から自宅に帰る人々だった。平成13年(2001年)に川に転落した車輪が鉄橋付近から引き上げられ、事故を後世に伝えるためにこの車輪のモニュメントが設置された。
鉄橋から少し下流に進むと「アキシマクジラ出土地」の看板がある。小さな看板だが、昭和36年(1961年)、ここ多摩川鉄橋の下流36メートルの地点から、クジラの化石がほぼ完全な形で発見されたそうだ。推定では約160万年前の化石とされており、当時この一帯は海だったということになる。なお、この辺りの岸辺も白い砂岩で覆われており、なかなか面白い表情を見せている。
(2014年6月掲載) 地図
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