小さな散歩道

広福寺 (昭島市福島町2丁目)

本殿 立派な山門

樹高20メートルの大松
閻魔大王像

 立川駅北口から「拝島営業所」、「拝島駅」または、「昭島駅南口」、「東中神駅」行きのバスに乗り「福島」で下車。このお寺は住宅地の中にあるので、ちょっと場所が分かりづらい。バス停近くの福島交番前の交差点を左折し、福島通りを下っていくと、右側に黄色い広福寺の案内板が見えてくる。ここを右手に入るとたどり着く。
  広福寺は、臨済宗建長寺派のお寺で、創建は室町時代の貞治2年(1363年)と伝えられる歴史あるお寺だ。境内には樹齢500年といわれる黒松や、二千年ハス(大賀ハス)などがある。

  山門をくぐり、石垣に囲まれた境内へ入ると、立派な本堂が構えている。この本堂は宝暦6年(1756年)に再建されたものらしいが、とてもきれいで、真新しく見えるほどだ。まだ雪が深く残っており、自由には歩き回れなかったが、雪化粧をまとった姿も趣があるものだ。本堂左手の鐘楼近くには、市指定天然記念物である黒松がある。この松は幹まわり約3メートル、樹高が約20メートルあり、枝振りも見事だ。ただ松は境内外へせり出すように伸びているため、外から見る方が全体をよく見渡せる。石垣から突き出るように伸びるその力強さには、500年という時の重みを感じさせる。

  黒松の先は墓地になっているが、一段高い場所に石垣に囲まれた内藤家の墓所がある。ここには武田二十四将内藤修理亮昌秀(豊)の子孫であり、後に福島地区の初代領主となった正頼の墓が残されている。

  裏山も墓地になっているが、この坂を上る途中に閻魔大王像があり、その先には百体地蔵菩薩がある。二手に分かれた道の真ん中に無数のお地蔵様が立ち並び、なんとも独特の雰囲気を放っている。裏山の墓地の先まで行くと、ベンチが置いてあり、高台からの眺望を楽しめる。この日は富士の姿は望めなかったものの、多摩川に架かる多摩大橋が鮮やかに輝いていた。

百体地蔵菩薩

 

 

(2014年3月掲載)  地図


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