小さな散歩道

多摩大橋 (昭島市宮沢町〜福島町)

流れるようなデザイン 左岸の下流から全貌を映す

富士山をバックに八高線が走る
橋の上から富士山を写す
「築地の渡し」の記念碑

 立川駅北口から「拝島駅・拝島営業所・昭島駅南口」行きのバスに乗り「玉川小学校」で下車。ASA昭和公園のある角を左折し、多摩川に向かって歩く。青梅線中神駅南口から徒歩ほぼ20分。奥多摩街道、新奥多摩街道を渡って多摩川に出る。真紅のひときわ目を引くデザインのアーチが見えてくる。これが2007年(平成19年)に新装された多摩大橋だ。
  昭島市と八王子市を結ぶ多摩大橋は、1966年(昭和41年)に開通したが、交通量の増加や歩道の狭さなどから新しい橋の建設が望まれた。新橋の整備や旧橋の補強などによりリニューアルした多摩大橋は、車道や歩道も拡張され、利便性も格段に向上した。また美しい流線型のデザインは、橋梁などの優れた業績に対し贈られる「土木学会・田中賞」を受賞している。

  橋を渡ってみると、拡張された歩道は幅が3メートル以上もあり、余裕を持って渡ることができる。歩道はサーモンピンク、ベージュ、グレーなどのタイルが敷きつめられていてきれいだ。橋上から見るアーチは独特の存在感を放っており、天高く伸びたアーチの下部が、流れるように二手に分かれるデザインがとても印象的だ。

 橋からは上流部に連なる山々や、橋梁を渡る八高線の姿も見ることができる。橋上ではカメラを片手に富士山を狙う人たちとすれ違った。夕方になると飛行機雲が流れ、富士に沈む太陽はなんとも幻想的だ。

  多摩川の左岸(下流に向かって左側)の多摩大橋の下流の土手には遊具がある広場があり、その一角にはかつてこの地にあった「築地の渡し」と呼ばれる多摩川の渡し場のモニュメントが。上流の河川敷はくじら運動公園として整備されており、野球場や芝生広場などがある。広々とした広場から見上げると、多摩大橋の巨大さが改めてよく分かる。そして近くの水辺では、鴨たちが羽根を休めていた。

夕暮れに映える富士山(2014年1月掲載)  地図


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