小さな散歩道

金毘羅宮七ツ塚古墳群 (日野市新町5丁目)

金毘羅宮
晴れた日には金毘羅宮と七つ塚ファーマーズセンターの間に富士山がくっきり見える
飲食もできる七ッ塚ファーマシー
七ツ塚西市民農園

 日野駅から「豊田駅北口」行きのバスに乗り、「緑ヶ丘」で下車。目の前の中央道に架かる緑橋を渡り、そのまま直進すると七ツ塚ファーマーズセンターの先に小さな鳥居が見えてくる。これが日野市指定史跡の金毘羅宮七ツ塚古墳群で、こんもりした盛土の上(墳頂)に金比羅宮が祀られている。設置してある看板によると、昔はこの辺りにたくさんの古墳塚が存在したようで、現在は5基とか。
  明治時代にはまげを結った女性埴輪や、管玉(くだたま)、勾玉(まがたま)なども発見されていて昭和29年(1954年)に、横穴石室を中心とした古墳が発見され、内部から直刀一口、今でいう小刀である刀子(とうす)二本、鉄のヤジリ四本の副葬品が出土した。本古墳群の造営時代は7〜8世紀頃と推定されるとか。この一帯から旧石器時代の遺物や縄文時代の居住跡が見つかっている。
  墳頂は削平されており、墳形も削られてしまっているが、隣接する七ツ塚公園で太古の人々の営みに思いを馳せるのも悪くない。またこの辺りはダイヤモンド富士のポイントでもあり、天気のよい日には金毘羅宮とファーマーズセンターの間に富士山を望める。

日野名物「土方歳三」うどん  七ツ塚ファーマーズセンターは、日野の農業の発信拠点として昨年開館した。農業者と市民の交流や地域住民のコミュニティ形成を図る施設だ。館内の“農あるまち日野 みのり處(どころ)”はセンター内の売店の名前。日野産多摩川梨やコシヒカリ、土方歳三うどん等の地場産の食品や市内特産物のほか、新選組ゆかりの地である福島・会津地方の特産物も販売している。多目的室、調理室などの貸室や喫茶コーナーもあり、日替わりランチは人気だ。この日も和やかに談笑する地域の人々の姿が見られた。
  センター裏手は農園になっていて、なんとものどかな風景が広がっている。高台になっているこの辺りは見晴らしもよく、曲がりくねった小道をのんびりと散策するのも楽しい。

(2013年4月掲載)  地図


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