小さな散歩道

谷保天満宮 (国立市谷保)

甲州街道に面して鳥居が立つ 本殿

本殿には行くには参道を南側に下がる

咲きはじめた梅

 JR南武線谷保(やほ)駅で降り、踏切を渡ると甲州街道に隣接する谷保天満宮の巨大な鳥居が見えてくる。中央線が開通する以前は、国立の中心はこの辺りであったらしく、地元の人たちからは「やぼてん」の愛称で親しまれている。
  谷保(やぼ)天満宮は東日本最古の天満宮として知られており、亀戸天神社・湯島天満宮と合わせて関東三大天神と呼ばれている。また1908年(明治41年)に有栖川宮威仁親王の先導による「遠乗会」と称された日本初のドライブツアーが谷保天満宮を目的地として開催されたことから、交通安全発祥の地としても知られている。創建は平安時代前期で、学問の神様といわれる菅原道真の三男・道武が、父を祀る廟を建てたことに始まるという。
 谷保天満宮は梅の名所としても有名であり、参道の左側に広がる梅園には約350本の梅が咲き始めていた。「今年は寒さが厳しく開花が1ヶ月遅れでした。見ごろは3月中旬まででしょう」とは同天満宮の話。
  園内には国立市に在住した作家・山口瞳さんの文学碑や、有栖川宮の碑などがある。

放し飼いのチャボ  参道を歩いていると目につくチャボの群れ。 放し飼いにされているようだ。鶏たちを横目に拝殿へ向かう。天神様のお使いである牛の像、その先には合格祈願の絵馬。遠方からの合格祈願も見受けられた。市指定重要文化財である立派な拝殿。拝殿裏にはこじんまりとした厳島神社があり、神社の周りを泉が囲んでいる。澄んだ水の中を覗き込むと、色とりどりの鯉が優雅に泳いでいた。その脇の斜面が紫陽花園になっていて6月には色とりどりの花を楽しませてくれる。

(2013年3月掲載)  地図

谷保天満宮ウェブサイト


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