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青梅線中神駅の南口から、多摩川方面に15分ほど直進すると、奥多摩街道に突き当たる直前で福厳寺の石垣が右手に現れる。この道を右折し、少し進むと立川段丘のハケ上に建つ熊野神社が見えてくる。
熊野神社は旧中神村の鎮守であり、1360(延文5)年の創建と伝えられている。現社殿は1852(嘉永5)年に再建されたものだ。社殿横には広々としたスペースがあり、簡易トイレなどが置かれているが、一見ガランとした印象だ。さて「市の天然記念物になっている有名な大イチョウはどこに?」と思い、辺りを見渡すと、ハケ下から巨大な幹が伸びていた。
社殿横の急階段を下り、ハケ下に降りると見事な大イチョウの姿を目にすることができた。この大イチョウは幹周6.5m、樹高33m、樹齢は約400年という巨木で、市の天然記念物に指定されているものだ。間近で見るとかなりの迫力があり、その堂々たる佇まいに思わず息を呑んでしまう。上を見やるとまだ葉は色づいており、黄色の絨毯が敷き詰められるまでには時間がかかりそうだが、時折ボトボトと銀杏が音を立てて落ちてきていた。
大イチョウの先には大鳥居があり、本来はこちらが入口のようだ。大イチョウの裏手には、あまりに急すぎて使用禁止になっている階段もある。この日は休日のせいか、落ち葉掃除に精を出す地元の人たちや、子供連れでお参りする家族の姿も見られた。この地の鎮守だけあって、地元の人たちに広く親しまれている神社のようだ。
帰り道に福厳寺に寄っていくのもよい。石垣上からは視界が開け、ハケ下を一望することができる。
(2012年12月掲載) 地図
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