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青梅線東中神駅南口からまっすぐに南下。新奥多摩街道に出る手前を右に入ったところに祠がぽつんと佇んでいた。
昔この辺りは向宿と呼ばれる地域で、水田に囲まれた30軒ほどの小さな集落があった。現在は周囲は住宅地となりその面影はない。祠の中には赤い帽子に赤い着物をつけた小さなお地蔵様がまつられるられていた。薄いピンク色の布ぞうりが奉納したあった。子持ち地蔵の名で親しまれているという。着物で前がおおわれているので抱えている子どもの姿は外からは分からない。
宝暦十二年(1762)十月の造立。
昭島市発行「路傍の文化財」によると、昔、近所の子供たちがお地蔵様を持ち出し、裏の中沢堀で一緒に水遊びをして遊んでいた。それを見た大人が「お地蔵様を粗末にしてはいけない」と子どもたちを叱った。がその夜、「せっかく遊んでいたのに、一人ぼっちにさせた」と言ってお地蔵様が悲しんだという言い伝えがある。とにかく子どもが好きなお地蔵様で赤ん坊の夜泣き、夜尿症、病気などに霊験があるらしい。
近くに樹齢500年の黒松で知られる広福寺がある。新奥多摩街道に出ると、東京オリンピックの自転車競技第2関門地点の記念碑と並んで、交通安全のお地蔵様がいらっしゃる。
(2012年10月掲載) 地図
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