小さな散歩道

福島神社  (福島町1丁目)

 本殿

境内から鳥居を見る
境内は遊具などあって幼児の遊び場になっている

 東中神駅から南下し、江戸街道を渡る。総合スポーツセンターを横目に直進すると、奥多摩街道との交差点に交番が見えてくる。 この交差点近くにはバス停「福島」がある。街道を渡りまた直進し、3つ目の道を左折。この辺りは少し分かりづらいので注意が必要だ。 ここから少し歩くと住宅街の中に突然、鳥居が現れる。この多少奥まった場所に鎮座するのが福島神社だ。駅からの距離は徒歩20分ほどだろうか。
  福島神社は旧福島村の鎮守であり、創建は天文年間(1532〜55年)といわれている。もとは御嶽神社、または蔵王権現といわれていたようだ。 境内には砂場やブランコなどの遊具も設置されており、本殿横には福島自治会館が隣接している。 こじんまりとした神社といった趣きだが、この神社は、毎年8月中旬に大祭で行なわれる「福島ばやし」で有名である。
  昭島市指定無形民俗文化財である「福島ばやし」は、福島神社の祭礼ばやしとして江戸初期の嘉永年間(1624年〜1645年)に有志によって行なわれたのが起源だそうだ。 当初は目黒ばやしであったが、明治31年(1898)頃に埼玉県入間郡三芳村にあった千曲座から芝ばやしを習い、それを広めたもののようだ。 他のはやしに比べ、上がり下がりの激しい調子のはやしであり、曲の調子がなめらかで美しいことがその特徴とされている。 かつてはその優れた技能ゆえ、八王子や日野、立川などの近隣の村の祭礼に呼ばれたことも多かったようだ。
歴史を感じさせる狛犬  例大祭は2日間行なわれる。初日は夕方からおはやしと万灯神輿が町内を回り、2日目は、はやし連が各自治会を回る。 また神輿の前におはやしが付き、神輿の渡御(とぎょ)などが行なわれる。例年、宮神輿の出発時や帰社時などには盛大な盛り上がりを見せる。 今年は8月18日と19日に開催される。

(2012年8月掲載)  地図


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