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多摩モノレールの柴崎体育館駅からモノレール沿いに南に5分ほど歩くと、多摩川の土手に出る。日野橋から中央線の陸橋辺りまでは土手も高く、多摩川サイクリングコースの武蔵野の路「是政・昭島コース」の中でも絶景ポイントとして知られている。晴れた日の早朝、富士山を見に行った。
モノレールが通っている立日橋(たっぴばし)とその西に平行に走っている中央線の陸橋との間の多摩川の河川敷は多摩川市民運動場になっていて芝生の広がる開放感あふれるスペースとなっている。その広さは72,000平米。市民のために野球場が4面も設置されている。近くのベンチで昼寝を楽しむ人々や、ランニングにいそしむ人たちの姿もちらほら。
土手からは遠方の丹沢や大岳山、奥多摩の山々まで一望できた。またこの日は天候に恵まれ、白銀に輝く富士山も望むこともできた。
陸橋近くまで行くと、轟音をとどろかせて走る中央線の姿が見られる。間近で見上げるとなかなかの迫力だ。立日橋方面を振り返ると、モノレールがのんびりと去って行った。
新奥多摩街道を渡り、根川緑道へ。根川緑道は平成4年から8年にかけて根川の両サイドに整備された全長1・3キロの遊歩道だ。道内は「生物」「遊び」「休息」「散策」の4つのゾーンに分かれており、最上流部の高度処理水を活用した噴出口から水がせせらぎとなって西に向かって流れている。
上流部の「生物」ゾーンを散策。まず目にとまるのは水辺にたたずむ鴨の姿だ。川の水もよく澄んでおり、かなりの数が生息している様子。水辺には小さい橋や飛び石が置かれていて、水に親しめる配慮がされている。川面に視線を落とすと、色とりどりの鯉が何匹も泳いでおり、草陰ではシラサギの姿も見ることができた。
ベンチやテラス、トイレなどもよく整備されていて、安心して散策が楽しめる。自然環境も良好で、人と動植物が心地よく触れ合えるスポットだ。川の両脇には整然と桜の木が植えられてあり、4月の休日にはお花見の人で毎年にぎわいを見せている。
(2012年4月掲載) 地図
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