あなたの町の朝日新聞店 | 小さな散歩道 目次へ |
「おこり地藏」という名前のお地蔵様が昭島にあると聞いた。何に怒っているのか訪ねてみた。
青梅線昭島駅からひたすら南に徒歩15分。八高線の線路を渡った右に五日市鉄道(昭和5年から14年間、
拝島、立川間を走っていた)の大神駅跡のモニュメントを通り過ぎ、新奥多摩街道に出てしまった。
いや同街道に出る手前の左にあるはずと探してしまった。ありました。左に入る小道(古道の牡丹餅街道)の左角の木の根元に鎮座していらした。
木の枝や葉があるので良く見えなかった。
お地蔵さまの顔がはがれていてお顔が判然としない。これは怒りですごい表情をしているのか。脇の案内板によると……。
「おこりとは『オコリ病』のことで、腹痛、高熱をともなう病気をいう。
古来、この病に霊験があるとされ信仰を集めてきたためこの名が
あるが、近頃ではその由来も忘れ去られているようである。銘文は
磨減して判然としないが、元禄年間(一六八八〜一七〇四)の造立、前面を東西に走る小道は、牡丹餅街道と呼ばれる古道である。
昭島市教育委員会」
医療が発達していない時代の人々の健康への願いが詰まったお地蔵様なのだ。近隣の信仰を集めていのだろう。
このオコリ地蔵は地方にも見られるようだ。
近くにある東勝庵(現在少し離れた場所にある観音寺の前身のお寺跡に建つお堂)、新奥多摩街道を渡り、ひぎり地蔵、観音寺とめぐり、
成隣小学校の北でバスに乗り立川駅北口から帰途に着いた。
(2012年3月掲載) 地図
小さな散歩道 目次へ | 前へ | 次へ |