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毎年8月の「昭島市民くじら祭」などに見られるように、昭島市と縁の深いクジラ。
アキシマクジラと呼ばれるクジラの化石が出土したのがその由来だ。市街の外れ、多摩川河川敷で化石は発見された。
昭島駅または中神駅から多摩川までは南へ徒歩30分。八高線鉄橋の橋脚番号11の下流36メートルの地点で、1961年、クジラの化石が見つかった。
発掘には一週間を要し、全長16メートルがほぼ完全な形で掘り出された。現在のクジラと種類が異なることから、アキシマクジラと名付けられた。
埋没していた地層から、第四紀更新世前期のもの、今から約160万年前の化石と推定されている。
河川敷の緑地には運動場が広がり、鉄橋の西側は大神公園、東側はくじら運動公園という。
川を見下ろす遊歩道は格好の散歩道で、運動場では子どもたちがのびのびと野球をしている。
橋脚に沿って多摩川に近寄った。川べりには草はなく、靴先でトントンとすると少し崩れるような柔らかい土が露出している。
その昔、海の砂だったのだろう。近所の人がゆったりと釣り糸を垂らし、寝転んで夕涼みをしている親子もいた。
アキシマクジラより西側の河川敷では、アケボノゾウの足跡化石、アケボノゾウの幼体頭骨化石、イヌ属の下あご化石も発見されている。
出土地から1.5キロほど離れた昭島市役所1階ロビーでは、アキシマクジラの胸椎と上腕骨の化石を展示。
骨の大きさに驚かされる。出土地を示した地図や概略がパネルで解説されているので、現地を訪ねる前の予習にぴったりだ。
化石の他の部分は、国立科学博物館新宿分館で保管されている。
■問い合わせ/昭島市広報係 TEL: 042-544-5111
(2010年10月掲載) 地図
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