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青梅線西立川駅から南に徒歩10分。元の東京都農業試験場。東京の農林技術の試験研究をしているところだ。
敷地は奥多摩街道を挟んで15万ヘクタールと広い。試験圃場(ほじょう)は立ち入り禁止だが、
花と緑の散策路、新樹種園や生垣見本、香木園、水と花の広場、展示温室などは開放している。
本館のロビーの柱に同センターが中心になって関係機関と開発した「花マット」という名のコンテナ花壇が展示してあった。
花壇苗を厚さ4センチの薄いトレーで生育し植物の根をネット状に成形させた植物で、ひんぱんに水やりをしなくて済む工夫がされている。
壁面緑化に、トレーをアーチ状につなげばイベント会場を彩るという。現在、実用化に向けて研究中とか。
正門前の奥多摩街道を渡ると遠くに富士見町団地が、眼下には同センターの試験圃場のハウス状の建物が並ぶ。
階段を降りたところの水と花の広場は開放されているスペースだ。水が流れ噴水もあり、休日には親子連れの姿も見られる。
野菜と花の展示温室を見学。野菜の方は入れ替え時期で何も植わっていなかったが、花の温室にはシクラメン、
マリーゴールドや珍しい観葉植物が栽培されていた。同展示温室は平日10―16時まで(土、日、祭日は開放していない)。
奥多摩街道に出る東の通用口の手前に高村光太郎の「葱(ねぎ)」の詩碑があった。
光太郎が、妻・智恵子の立川在住の友人が地元の葱を送ってくれた。その立川産の葱を称えたものだった。
帰りの北通用門近くで桜の花が咲いていた。プレートを見ると、「冬桜」とあった。
同センターには50種類の桜があり、開花時期には多くの人でにぎわう。
(2009年12月掲載) 地図
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