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立川市、昭島市にまたがる同公園の北側のEゾーン、日本庭園の中に盆栽苑(750平方メートル)がある。日本独自の伝統文化の普及と発展のために平成16(2004)年、日本初の国営盆栽施設としてオープンした。日本盆栽協会から寄贈されたものを中心に、常時約50鉢を展示している。
庭門をくぐると右手にあるのは展示用の床の間付きの作業棟。職員が盆栽を手入れする姿が見学できる。床の間には紅葉が美しいツタ(推定樹齢120年)の盆栽が飾ってあった。塀を覆うツタはよく見るが、鉢植えは初めて見た。「凄い迫力ね、これがツタ? 落ち着きがあっていいわ」と女性の2人連れがしばらく眺めていた。
さらに進むと盆栽の種類や育て方を紹介した学習ゾーン、古木を展示した展示ゾーンがある。
同公園盆栽苑専門役・鈴木英男さんが鑑賞にきた入園者に盆栽の楽しみ方を話していた。「例えば模様木(もようぎ)という作り方は片方の枝を長くして樹形が不等辺三角形になるように作っています。従って植付けは鉢の中央ではなく少しずらして植えています。そうしますと木のバランスがよくなるんですね。樹高の三分の一あたりの幹肌がわかるように空間をつくります。てっぺんはちょっとおじぎをさせて、日本人の謙虚さを表現します」と鈴木さん。作り手の力の入れどころが少しでも分かると盆栽が身近に感じられてくる。
盆栽を鑑賞する上でのポイントを聞いてみた。根が四方に張り出し安定感と力強さがあるか。幹の立ち上がりが素直で、上に行くほど自然に細くなっているか。幹から出ている枝の太さや間隔がバランスよく配置されているかの3点という。
展示している盆栽を見ながらの鈴木さんの解説はわかりやすいと好評だ。「盆栽は心をかければ応えてくれます。手入れをきちんとしてやらないと、怒ってきれいに見せてくれませんよ。正直ですね」。盆栽士44年の鈴木さんの言葉は説得力がある。
盆栽は葉のある時、実のなった時、枝だけの時と四季を通じて楽しめる。お気に入りの盆栽をみつけに行きませんか。同公園では11月3日までコスモスまつりを開催。帰りにみんなの原っぱ西側花畑のイエローキャンパス(黄色のコスモス)なども鑑賞できる。
■盆栽苑
昭和記念公園の閉園30分前まで
入場無料(昭和記念公園の入園料が必要)
■国営昭和記念公園
開園/9:30〜16:30(11月1日以降)
入園料/
15歳以上400円、小・中学生80円、小学生未満無料
問合せ/公園緑地管理財団 昭和管理センター
TEL:042-528-1751
アクセス/
玉川上水口から徒歩5分 西立川口から17分
(09年11月掲載) 地図
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