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北京オリンピック開幕まであとわずか。そこで、44年前に開かれた東京オリンピックにゆかりのある身近な施設を訪ねることにした。
青梅線東中神駅南口から福島通りを南下すると新奥多摩街道にぶつかる。そこを渡って左に100メートルほど行くと、歩道の脇に高さ約1・7メートルの石碑が立っていた。御影石の台座に載った黒っぽい碑の表には
TOKYO 1964 自転車競技第二関門地点
と刻まれ、下に小さく「元義書」の字。昭和39年に開かれた東京オリンピック自転車ロードレースの記念碑だった。碑の裏には大会役員らの名前が刻まれている。
競技は、八王子市の多摩御陵近くの陵南公園をスタート地点に行われたという。同公園にもそれを記念する石碑が建てられている。自然豊かで、起伏に富んだ多摩地域が自転車競技のコースに選ばれたのだろうか。
石碑の立つ新奥多摩街道は、今片側2車線の幹線道路。ひっきりなしに大型車が轟音を上げて走り去る。
石碑の隣に立つお地蔵様は、「昭和五十六年七月建之」とあった。競技が行われて17年後、街道が全面開通して数年後のことだ。にわかに交通量が増え、事故も多発するようになったのだろう。お地蔵様の台座には「願交通安全」と刻まれていた。
柔和な表情の地蔵様は、交通安全とともに、隣の石碑を守っているようにも見えた。
(08年8月掲載) 地図
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