小さな散歩道

ファーレ立川アート作品群  立川市曙町

  JR立川駅北口を出て、ペデストリアンデッキを歩くこと5分余り、地上に降りると真っ先に目に付くのが、赤や黄色、緑などの正装をまとった部族の首長の群像だ。ナイジェリアの作家によるものという。そのあたりを見渡すと、まるでガラス箱に閉じ込められたような自転車や色鮮やかな蛇を背中にはわせたベンチなど奇抜な作品が目白押しなのだ。
  この作品群は、世界36カ国の92人のアーティストが参加して109ヶ所に作ったものだそうだ。とは言っても、作品には特に看板や案内板がついているわけではない。気付かなければ通り過ぎてしまうような、地味なものや目立たないものもある。書店などで販売している「アートマップ」(150円)持参で、作品名と場所を確認して回られるのが無難。ひと通り見るには、3時間かかるそうだ。
  訪れた日はたまたまガイドさんがついたグループに参加させてもらえ、説明も聞くことが出来た。登っていっても、その先がない奇妙な階段の内部には、地下の機械室に降りて行く本当の階段があることや、ビルの屋上にあるため、言われなければわからない絵や、クモの巣の形をしたアートを知ることが出来た。また1200個もの鐘を使った慰霊塔のような作品は、ひん死の床にあった作者の妻への祈りを込めたものであると知った。
  道端にひっそりとたたずむアートを、ぜひゆっくりと鑑賞されることをお薦めします。
(2007年11月掲載)  アートマップ


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