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青梅線昭島駅から江戸街道を超え、さらに南に歩いて約8分、周囲を白い塀で囲まれたお寺の屋根が見えて来た。 塀に沿って表に回ると、堂々とした山門がそびえている。右手前に「曹洞宗 龍田寺」の石柱。 山門の奥に見える本堂も、どっしりと荘厳な造りだ。ちょっと高めの敷居を恐る恐るまたいだ。
入るとすぐ左手に、質素な感じの小さなほこらがある。傍らに「痢病尊」の立て札。 それによると、「通称痢病神(りびょうじん)様」とあって、「痢病とは、下痢、腹痛などの病気のことで、 その守護神として古くから信仰を集めている」と書いてある。そんなご利益があるとはありがたい、 ぜひ私もお受けしたいものですと、ほこらに向かって手を合わせた。
立て札によると、ほこらの中に収められているのは30センチほどの木造彩色立像で、 元来相模国の養国院(現伊勢原市)にまつられていたが、文化年間(1804-1818年)に 慈海竜吟和尚という人がこの地に背負って来て、龍田寺に奉安したのだという。
毎年8月1日が祭日で、お札が用意されるそうだ。
ほこらの脇に、並んでいたのは石のお稲荷さん。小さな狐が2匹、向かい合って これまた小さな石のほこらを守っている。その隣は石の観音様だ。その隣には石の地蔵さんが仲良く並んでいる。 まるで、訪れた人たちを温かく出迎えてくれているようだった。
(2007年8月掲載) 地図
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