小さな散歩道

普済寺  立川市柴崎町4丁目

普済寺常照殿 多摩モノレール柴崎体育館駅から住宅街の中を徒歩約10分、両側に大きな石の門構えが見えて来た。右の門柱の前には「玄武山普済寺」の石碑、左の門柱の脇には高さ5メートルほどの巨大な石灯籠が。
  門を通り長い参道を抜けると、こじんまりした山門。その先にはまるで太鼓のような形をした御影石製の橋が、細くて豊かな水量の水路を渡っている。水路の水は澄んで勢いがある。その水を眺めながら橋を渡ると、目の前に石畳の境内、そしてその突き当たりに「常照殿」という額のかかる大きな伽藍があった。
普済寺灯篭  傍らに立つ説明板に「都指定旧跡 立川氏館跡」とある。立川市民ならよくご存じ、立川市の名前発祥の寺なのだ。ここは武蔵七党ゆかりの立川氏の、もと居城だったが、天正年間に立川氏が断絶し、それ以後寺域になったのだそうだ。
普済寺石碑  あたり一帯は、残堀川の河岸から一段高くなった段丘のようで、その向こうには多摩川が流れている。居城としての眺望は相当すばらしかったのだろう。すぐ近くにはJR中央線が走っていて、電車からもよく見える。
  同寺には釈迦牟尼坐像など様々の文化財のほか、「平和観音」と書かれた銅像や、お釈迦様が誕生した時の像もある。帰り際ふと見ると、境内の一角に「立川教育文化発祥の地」の石碑があった。ここが立川の歴史と伝統の地であることをしのばせてくれた。

(05年8月掲載)  地図


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