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南武線西国立駅を出て、立川南通り、みのわ通りを歩くこと約15分。正面入り口が見つからず、通りから階段を湿地側に下りて、やっと緑地に入ることが出来た。
その入り口近くの説明板には「東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき」指定したとあった。湧水を水源とする矢川の水路内にはナガエミクリ、ミクリ、ミゾホオズキなどの植物が見られ、野鳥の生息地にもなっているそうだ。
早速、木道を伝って「野草保存地区」を横目に見ながら、湿地に入る。といっても歩き始めた所は水がない。「湿地というより、畑のようだなあ」と思ったがしばらくして、田んぼのように水をたたえた「池」に来た。浅くて底は見えるが、生き物らしい姿は見えない。道端には、緑の景色をクレヨンでキャンバスに描く女性。立川という都会に近いことを忘れさせる、別世界のようだ。
湿地の途切れたあたりには、幅が2〜3メートルほどの澄んだ流れ。これが「矢川」なのだろう。矢のように速い流れから付けられたそうだが、この日はさほど速くもなく、「春の小川」といったのんびりさが感じられた。満開のサクラの下には親子連れの姿も。
流れに沿って広がる林には、メタセコイヤやシラカシ、アカメガシワの大木がそびえ立つ。その木陰の流れにはカモやコサギが数羽、人影を恐れるでもなく遊び回っていた。
(05年5月掲載) 地図
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