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小田急小田原線鶴川駅より15分程歩くと、武相荘へと案内してくれる男性が大通りに立っていた。少し奥まった所に入り口があるのでとてもありがたい。この日は服部さんという方が武相荘案内人を務めていたが、白洲次郎氏の雰囲気を漂わせたとてもすてきな方で思わず写真を一枚。
入口へ向かうと、「戦後の新憲法制定に深く関わり、東北電力会長としても活躍された白洲次郎と、美術評論家・随筆家として読売文学賞二回受賞、町田市名誉市民第一号の白洲正子のご夫妻が、能ケ谷のこの地に農家を買い取り移住されたのは、昭和17年(1942年)であった。<中略>冠せられた武相荘という愛称も、古い農家に具わる“静謐な美”に寄せるご夫妻の、慎み深い敬称と読み取れる」との町田市教育委員会による記載がある。
なるほどと、いよいよ敷地内へ。訪れたのは11月中旬、豊かな木々が紅葉し始めていてとても美しいのでまずは母屋入り口を通り過ぎ、鈴鹿峠を散策する。暖かい日だったが、こちらは木々に囲まれているせいかひんやりとしていて静寂に包まれていた。ゆっくりとその静寂を楽しんでから母屋へ入る。
入ってすぐ、ご夫妻の生活ぶりがうかがえる食卓(土間)が。その後も囲炉裏・書斎・第一ギャラリー、一度母屋を出て第二ギャラリーへと続き、ご夫妻の日常や趣味・人柄などが伝わってくる。「二人の趣味(hobby)は異なっているように見えますが、嗜好(taste)は多分に共通していたと思います」という牧山桂子さんの言葉がよくわかる。
ご夫妻のこだわりのあるすてきな生活を体験したかのような気分になりながら、最後にお茶処で抹茶をいただく(菓子付き800円)。店内はほぼ満席ながらとても静かで、ここでもまたゆっくりと武相荘に思いを馳せることが出来た。正子がひいきにしていた都内・青山「レ・クリスタリーヌ」に注文している洋風弁当(3,150円・要予約)もこちらでいただけるということで、次回企画展「武相荘―冬」(2011年2月27日まで)を訪れるときには是非試してみたいと思う。
■旧白洲邸 武相荘
所在地/町田市能ヶ谷7-3-2 TEL:042-735-5732
開館時間/10時〜17時(入館は16時30分まで)
休館日/月・火曜日(祝日・振替休日は開館)※夏季・冬季に臨時休館あり
入館料/1,000円(小学生以下の入館不可)
(2010年12月掲載) 地図
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