小さな散歩道

出口公園(日野市平山5−39)


用水と線路に挟まれた出口公園

まだつぼみの藤棚(4月中旬写す)

散策路の脇に腹筋ベンチがあった

 平山城址公園駅の駅前ロータリーから線路沿いを南平方面に進むと、踏切の先にある出口公園に着いた。駅からあっという間の距離だ。
  この公園は、京王線の線路と用水路に挟まれた場所に造られていて、水路に架けられた小橋を渡って園内に入る。その先には日野市内の公園によく見られる立派な完成記念碑があった。

 裏面の碑文や園内東側の案内板によると、この辺りには平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した武将・平山季重(すえしげ)の居館跡といわれる大福寺の出口があったため、「出口」という小字名(こあざめい)がつけられていたという。
  「出口公園」という変わった公園名は、このことにちなむようだ。そういえば、駅前ロータリーの一画にあった「平山季重居館跡」という看板と共に季重の館跡を示す大きな石碑が建っていたことを思い出した。

  園内脇を流れる用水路は豊富な水量があり、時にはカルガモなどが訪れることもあるようだ。園内からは水辺に下りられるようになっていて、近所の子どもたちがバシャバシャと水遊びを楽しんでいた。


前後に動くロッキング遊具(右)とスプリング遊具

 入口から伸びる小さな散策路の脇には腹筋ベンチやトイレがあり、その先は運動広場になっている。この広場からは目の前を走る京王線がよく見えるので、電車好きの子どもが喜びそうな広場だ。広場に設置された遊具は乗り物遊具とスプリング遊具がひとつずつと少なめだが、この日は自転車で駆けつけた大勢の子どもたちが、楽しそうに広場を駆け回っていた。
  園内奥には藤棚とベンチがあり、こちらでは可憐な藤の花が少しずつ咲き始めていた。

 比較的新しい公園のようであり、園内の植栽などもきれいに保たれている。それほど大きな公園ではないものの、傍らには水の流れもあり、なかなか心の安らぐスポットであった。

  踏切を渡って少し進めば、浅川の堤防に出る。この辺りには案外多くの野鳥が生息しているようで、川面には何羽ものカモやシラサギの姿があった。
  春の風を感じながら、川沿いをのんびりと散策するのもいいだろう。 

(2024年5月掲載)  地図


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