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社殿
豊田駅南口から商店街を抜けて住宅地を進むと、中央線沿いに出る。少し進み右手に入ると10分ほどで若宮神社だ。西参道口からも入れるが、もう少し下って左に回り込むと鳥居が見える。
若宮神社は地頭の大久保勘三郎が慶安5年(1652)に創建したといわれている。地元では子どもの守り神として「明神様」と呼ばれ親しまれている。
境内の左手に地面がブルーシートで被われたやぐらが見える。毎年9月の例大祭で行われる「奉納子ども相撲」の土俵だ。だが今年はコロナ禍で例大祭は中止だそうだ。
社殿に参拝して社務所の方を見ると、何やら人が途切れることなく並んでいる。同神社では疫病除けの妖怪として話題のアマビエと疫病を予言したとされる2つの頭をもつヨゲンノトリの御朱印を制作。6月11日から販売したところ、近隣の区や市から人が押し寄せてきているという。
アマビエは江戸時代、肥後(熊本)に出現した妖怪で、外見は人魚のようで、鳥に似たくちばしがある。「病がはやったら、私の写し絵を人々に見せよ」と言いのこし、海へ消えたとの言い伝えがある。
ヨゲンノトリは安政4年(1857年)12月、加賀国白山にあらわれた頭が2つある不思議な鳥。翌年にコレラの流行を予言し、「私の姿を朝夕に拝めば難を逃れることができる」と言ったとされている。
絵を寄贈したのは絵本作家で画家でアートセラピストのいけかつまいこさん(福生市)。自分のアートセラピー教室の生徒の中に、保育園や病院に勤務している人がいた。「コロナウイルスに感染しないようにとお守り代わりにアマビエの絵を、次いでヨゲンノトリの絵を描き、プレゼントした」。
いけかつさんは、自分のホームページにもアップしてフリーで使ってと呼びかけた。豊田若宮神社にも、オリジナルの御朱印用原画を奉納した。「アマビエはイラストですが、たらしこみという日本画で使うぼかしや墨の線に苦労しました。ヨゲンノトリは幸せの青い鳥をイメージ。鳥の顔は男女の融合としてさりげなくかき分けました。太陽と月は朝夕にこの絵を拝んでいただきたいと思って」といけかつさん。
御朱印帖サイズの和紙にプリントして各500円で授与したら人気に。6月末から柱や車に張れるように、透明シール付と表面が光るモノグラムシール付(各1000円)も売り出した。
遠方からの希望者には郵送している。北海道から沖縄まで要望が増えている。御朱印代に郵送手数料(300円)を添えて現金書留で同神社宛に郵送。枚数の制限はない。
豊田若宮神社
住所/191-0052 日野市東豊田2-32-5
TEL/042-584-4656
(2020年7月掲載) 地図
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