小さな散歩道

黒川清流公園 (日野市東豊田3丁目)

 
(左) 園内は緑がうっそうと茂る  (右) あづまやの中には椅子が置かれている


整備されている園内の道

園内の水路は全長600メートルにも

仲睦まじいカモのつがい

  豊田駅北口から、駅前のロータリーを右手に抜けて坂道を下っていくと、深い緑の中に大きな池があった。ここは多摩平第三緑地(通称・清水谷公園)という場所で、池の中では数匹の鯉が泳いでいた。「駅のすぐ近くにこんな所があったんだ」と驚いてしまったが、傍らには「黒川段丘崖散策コース」という小さな表示板があった。

  道なりに進み、山王下公園を越えると、左手の段丘に「東豊田緑地保全地域」という看板が建っていた。清水谷公園から北東の黒川清流公園へ細長く続く段丘崖はこの保全地域に指定されており、豊かな緑が茂る一帯となっている。

  通りを渡り、段丘とマンションの間に伸びる歩道を抜けると、黒川清流公園に着いた。公園の始点となるこちらには、池の上にせり出した水上あづま屋が建っている。趣きあるあづまやから澄んだ池の中を見渡すと、多くの鯉の姿があった。ここにはベンチも多く置かれており、水上でゆったりとした時間を過ごすことができる。


池には鯉が悠然と泳いでいた

  園内にはここから全長約600メートルの水路が延びている。水路沿いの散策路を進んでいくと、園内にはコナラやクヌギなどの高い木々が茂っており、所々から湧き水が流れている。公園近くには住宅街が広がっていることもあり、「よくこれだけの自然を残せたものだな」と感心してしまう。また、散策路の途中には階段があり、段丘上の多摩平第一緑地とも一体となった造りとなっていた。

  散策路の中ほどには、小さな「わきみず池」と親水広場や、橋の下を湧き水が流れる清流広場があった。この辺りは、子どもの水遊びにはピッタリの場所だろう。
  道路脇を流れる水路を歩道から眺めていると、つがいのカモの姿があった。透き通った水面をスイスイと泳ぐカモたちは、すぐそばにいる人の姿に動じる様子もなく、水中のエサをついばんでいた。これほど近くでカモを観察できる場所も珍しい。
  亀も生息しているという「大池」を過ぎると、黒川清流公園の終点である「ひょうたん池」が見えてきた。池のほとりでは鳩が羽根を休めており、上を見上げると、築堤の上を中央線が走っていた。

(2018年7月掲載)  地図


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