小さな散歩道

ふれあい橋(万願寺歩道橋) (日野市万願寺5ほか)


向島用水親水路

Yを逆にしたシルエットも美しい

橋の通行部の中央には花壇が

橋の歩行部分には「あなたの心で」「清流」と


浅川にかかるふれあい橋

 高幡不動駅から徒歩15分。駅北口を出て、潤徳小学校沿いに左から回り、学校の裏手には西に向島用水親水路(約500メートル)が延びている。このよく整備された親水路は緑も豊かで、夏の日差しを避けるにはちょうどいい。また、近くには風情ある木製の東屋も設けられている。
  親水路を進んでいき、右手にある向島緑地に寄る。緑地内には高く伸びた木々が茂っていて、中には複雑な幹の伸び方をしていたり、南国風の樹木が高々と伸びていたりして、小さいながらもなかなか面白い表情を見せてくれる緑地だ。

  向島用水親水路の始点を曲がり、浅川の土手に出ると、一気に視界が開ける。ここからすぐ下流側に架かっているのがふれあい橋だ。
  1991年に完成。「ふれあい橋」は愛称で、正式名は「万願寺歩道橋」なのだそうだ。橋の中央に建つ白い逆Yの字型の塔と、高い塔の頂上部に乗った球体がとても印象的な橋である。

  橋を渡ってみると、橋の通行部中央に丸い鉢が一定の間隔で並んでおり、色とりどりの花々が橋を彩っている。また、欄干には羽ばたく鳥たちがあしらわれており、所々に意匠をこらした橋といった印象だ。
  橋の中央部まで来ると、欄干が少しせり出していて、展望広場のようになっている。傍らの欧州風の街灯の下には横になれる位の長いベンチがあり、床面には「清流」と書かれたカラフルなタイル絵が張ってあった。
  橋の上からの見晴らしはよく、上流側では西方に連なる山々や、下流側では新井橋の上を渡るモノレールの姿などがよく見えた。この日も暑い日だったが、水面からは時折涼しい風が吹いてくる。辺りには高い建物もあまりないので、風の通りもよいのだろう。

  橋近くの川岸は親水広場として整備されており、ジョギング中に休息をとる人や、午後のひとときを楽しむ高校生たちの姿が見受けられた。夕暮れになり、幾分過ごしやすくなってくると、子どもたちがバシャバシャと水遊びに興じていた。


川岸の親水広場で遊ぶ子どもたち

(2017年8月掲載)  地図


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