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水車小屋
日野駅から「宇津木台」行きのバスに乗り「東光寺小学校入口」で下車。ここからバス通りを少し進んで、住宅地を左手に入ると、古びた水車小屋のある三角形(789平方メートル)の公園が見えてきた。ここが水車掘公園だ。
入口にある案内板によると、かつてこの辺りには東光寺地区の共同水車があり、昭和25年(1950)くらいまでは地域の人々に利用されていたそうだ。当時は日野用水の水量も豊富であり、水車も大きく、一度に米六俵がつけたほどだとか。また、製粉場もこの辺りにあったようだ。この水車は、当時の様子を今に伝えるために復元されたもの。
公園奥にひっそりと建っている水車小屋の前に行くと、「水辺のある風景日野50選・選定」という看板があった。この木製の看板は、東光寺小の生徒たちが描いた水車小屋などの絵でカラフルに彩られていた。
この日は調整中のため水車は回っていなかったが、水車の下には石垣の中を水が流れており、なかなか風情のある水車小屋だ。大きな水車は間近で見ると結構な迫力があり、木を丁寧に組み込んだ水車の造りには「昔の人はよく考えたものだな」と関心してしまう。
水車小屋の正面は水辺に降りられるようになっているので、夏になれば水遊びを楽しこともできそうだ。
他にはトンネル付きの滑り台と小さな遊具があるだけの小さな公園だが、近隣の人々にとっては「日野の原風景」を思い起こさせる貴重な公園なのだろう。
傍らを用水が流れるバス通りを戻り、近くのよそう森公園にも寄ってみた。園内を横切るように用水が流れている。公園中程にある井戸からも水がジャバジャバと湧き出ており、緑の中を小川が流れる公園といった印象だ。水の流れがある公園ということもあり、園内に造られた小高い丘の上では鴨が休憩していたり、時折水辺に野鳥が訪れることもあった。辺りには田んぼもあり、ベンチに腰掛けていると次第にのどかな気分になってくる。一昔前には、こうした光景が一面に広がっていたのだろう。
帰り際、入口近くにある竣功記念碑を見ると、碑の上に可愛らしい親子連れの鴨のオブジェが乗っていた。
(2017年4月掲載) 地図
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